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J-GLOBAL ID：201902283573189747   整理番号：19A0589658

両親媒性ジアリールエテン会合体の光誘起LCST転移挙動:光変形する超分子構造体と光による物体移動

Photoinduced LCST Behavior of Amphiphilic Diarylethene Assemblies: Phototransformative Supramolecular Architectures and Photodriven Actuation

著者 (2件)： 東口顕士 (京大 大学院工学研究科) ,  松田建児 (京大 大学院工学研究科)
資料名： 有機合成化学協会誌  (Journal of Synthetic Organic Chemistry, Japan)
巻： 77  号： 3  ページ： 236-245  発行年： 2019年03月01日 
JST資料番号： F0383A  ISSN： 0037-9980  CODEN： YGKKAE  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル鎖を特徴とする両親媒性ジアリールエテンの自己集合超分子構造は,水溶液中でのUVと可視光による交互照射で,光誘起巨視的形態変化を示した。ジアリールエテンの超分子集合を含むこれらの懸濁液は,下限臨界溶液温度(LCST)遷移に対応する温度で吸収スペクトルシフトを示した。光可逆的形態変換は,LCST遷移の高温相と低温相の間の光誘起相転移として合理的に説明できる。開環異性体の無色ミクロスフェアは双連続相コアセルベート構造を有していた。閉環異性体は水和状態になり,分子間相互作用に依存して棒状ミセルと二分子層構造を形成した。ナノ構造における光誘起変化は,水溶液中での精巧な光アクチュエータへの応用を可能にする。ナノ繊維は枯渇力によりメチルセルロース水溶液中で束を形成した。サブミリメートルサイズ束は,可視光照射下で100μm以上の光誘起収縮を示した。繊維の伸びは直線偏光の方向に観察された。添加したポリスチレンビーズの軌跡追跡によって明らかにされたように,拡散運動は発生した繊維のそれに垂直な方向に抑制された。ポリスチレンビーズの光誘起クラスタ化とそれらの拡散の光制御を,熱対流と超分子構造の変化の支援により達成した。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： *両親媒性 ,  ビニル化合物 ,  脂環式化合物 ,  硫黄複素環化合物 ,  ポリエチレングリコールメチルエーテル ,  芳香族カルボン酸 ,  カルボン酸エステル ,  紫外線照射 ,  可視光 ,  自己集合 ,  *超分子構造 ,  *環化反応 ,  *開環反応 ,  臨界溶解温度 ,  光学顕微鏡 ,  Brown運動 ,  熱対流 ,  水溶液
準シソーラス用語： LCST ,  チオフェン誘導体 ,  ポリエチレングリコールモノメチルエーテル ,  下限臨界溶液温度 ,  可視光照射

分類 (2件)： その他の光学的効果  (BM08040H) ,  光化学反応  (CB08020F)

物質索引 (6件)： 1,3-ビス({2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチル}) 5-(8,8,9,9,10,10-ヘキサフルオロ-1,2-ジメチル-14-{4-[(オクチルオキシ)カルボニル]フェニル}-3,15-ジチアテトラシクロ[10.3.0.0^2,6.0^7,11]ペンタデカ-4,6,11,13-テトラエン-4-イル)ベンゼン-1,3-ジカルボキシラート ,  1,3-ビス({2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチル}) 5-{4-[3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロ-2-(2-メチル-5-{4-[(オクチルオキシ)カルボニル]フェニル}チオフェン-3-イル)シクロペンタ-1-エン-1-イル]-5-メチルチオフェン-2-イル}ベンゼン-1,3-ジカルボキシラート ,  1-[2-メチル-5-[4-(オクチルカルバモイル)フェニル]-3-チエニル]-2-[2-メチル-5-[3,5-ビス[2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エトキシカルボニル]フェニル]-3-チエニル]-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロ-1-シクロペンテン ,  1-[2-メチル-5-[4-(ノニルオキシ)フェニル]チオフェン-3-イル]-2-[2-メチル-5-[3,5-ビス(3,6,9-トリオキサデカン-1-イルオキシカルボニル)フェニル]チオフェン-3-イル]-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロ-1-シクロペンテン ,  5-[5′-[4-[(オクチルアミノ)カルボニル]フェニル]-2,2′-ジメチル-3,3′-(ヘキサフルオロシクロペンタン-1,2-ジイリデン)-2,2′,3,3′-テトラヒドロ-2,2′-ビチオフェン-5-イル]イソフタル酸ビス[2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチル] ,  9,9,10,10,11,11-ヘキサフルオロ-2-(4-ノニルオキシフェニル)-7-[3,5-ビス(3,6,9-トリオキサデカン-1-イルオキシカルボニル)フェニル]-8a,8b-ジヒドロ-8a,8b-ジメチル-4,5-プロパノベンゾ[2,1-b:3,4-b′]ジチオフェン

引用文献 (22件)：

• 1) J. N. Israelachvili, Intermolecular and surface forces. 2nd ed., London, Academic Press (1992)
• 2) X. Zhang, S. Rehm, M. M. Safont-Sempere, F. Würthner, Nat. Chem., 1, 623 (2009)
• 3) T. Kunitake, N. Nakashima, M. Shimomura, Y. Okahata, K. Kano, T. Ogawa, J. Am. Chem. Soc., 102, 6642 (1980)
• 4) D. Faure, J. Gravier, T. Labrot, B. Desbat, R. Oda, D. M. Bassani, Chem. Commun., 2005, 1167
• 5) T. Hamada, R. Sugimoto, M. C. Vestergaard, T. Nagasaki, M. Takagi, J. Am. Chem. Soc., 132, 10528 (2010)

タイトルに関連する用語 (9件)： 両親媒性 ,  ジアリールエテン ,  会合体 ,  光誘起 ,  LCST ,  挙動 ,  光変形 ,  分子構造 ,  物体