抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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1.背景:多くの人々は,グリッド街路パターンの構造を非グリッド街路パターンよりも本質的に記憶しやすいと考えている。しかし,人々が都市域を散策するのは,純粋な経路探索ではなく,ショッピングや観光などのためなので,認知地図を作成するよりも道を認識することの方が重要である。非グリッド街路パターン区域において,各々の交差点は,より多くの特性を持っている。このような交差点は,経路探索以外の他の活動に集中している歩行者により,容易に記憶される可能性がある。そこで本研究では,非グリッド街路パターンの場合とグリッド街路パターンの場合の結果を比較することにより,経路認識に及ぼす交差点形状の影響を明らかにすることを目的とした。2.方法:19~25歳の合計28名の健康な参加者を有する実験的調査を,東京の住宅地区において実施した。参加者は,地域の異なる地区で同じ作業を行うために,14人ずつの2つのグループに分けられた:1つはグリッド街路パターンを持ち,もう1つは非グリッド街路パターンを持っている。試行において,参加者は著者に従って歩き,経路(図1,2)を記憶するよう指示されたので,彼らはその後,経路を逆に一人で戻ることができる。経路を学習した後に,著者は彼らに交差点を提示し,通過したかどうか,どうしてそう決定したかについて質問した。これらの交差点は,写真(Photo1,Photo2)により示され,また,他の経路(図3,4)を介して,著者により現場でガイドされた。提示された交差点は,同じ領域にあるが,学習経路(Table1)ではないダミー交差点の1/3を含んでいた。最終的に,彼らは一枚の白い紙に学習した経路の地図を描くよう指示された。3.結果。記憶の精度:結果は,非グリッド領域の参加者がグリッド領域のものよりはるかに正確に交差点を示した。特に,非グリッド領域の参加者は,グリッド領域(図8,9)にある彼らが通過しない交差点についてより多くの自信を持っていた。グリッド領域において,参加者は,それらが実際に通過しなかった「決して通過していない」と判断することが困難であることを見出した。参加者が交差点を通過したかどうか覚えている時,彼らは来た方向と帰る方向(図11)も比較的覚えていた。選択された方向に関しては,街路パターンの正答比率とに差はなかった。認知地図:図7は,両地域の参加者とも終着点から学習経路の開始点の方向を非常に正確に知ることができることを示した;しかし,より多くのグリッド領域の参加者が精度よく答えることができた。認知経路地図を描くことによって,より多くの交差点は,非グリッド街路パターン(図12,13)よりグリッド街路パターンにおいて見過ごされた。4.結論:研究は,歩行者が,より正確に非グリッド街路パターン領域における交差点を決定することができて,また,それらがグリッドパターンにおけるより前にそれらを通過したかどうかにかかわらず,信頼性があることを明らかにした。したがって,実際には,歩行者は,非グリッド街路パターン領域において迷い道することについて,より少ない心配で歩行できる可能性がある。しかし,個々の交差点記憶の接続精度に関しては研究の余地がある。非グリッドパターン領域における歩行者経路認識モデルを構築するためにさらなる研究が必要である。(翻訳著者抄録)
