抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高調波および非調和振動解析を用いて,CH
2伸縮振動領域における超音速ジェット冷却ベンジル誘導体(BzX,C
6H
5-CH
2-X;X=Cl,OH)のIRスペクトルシミュレーションを行った。超音速ジェット法と組み合わせた蛍光検出IR分光法は,断熱膨張冷却がその後の単離と最小単一立体配座へのトラッピングをもたらすため,温度効果から誘導される数個の配座異性体と不均一広がりが共存せずに,シャープでシンプルなスペクトル特性を提供した。しかし,両分子のCH
2伸縮領域における観測スペクトルは4つ以上のバンドを示し,CH
2伸縮の2つのバンドのみを示す密度汎関数理論(DFT)計算の調和振動シミュレーションにより再現できなかった。基本以外の倍音あるいは組合せが非調和相互作用により現れると考えた。これらの非調和性を考慮して,非調和振動解析を含む改良スペクトルシミュレーションをSINDOプログラムの利用により実行した。BzClにおいて,シミュレーション結果はかなり良い一致を示し,汎関数と基底関数系に対するその依存性は非常に小さく,この応用は種々の一般的DFTレベルにおいても十分に有効であると予測された。それらの中で,最も再現性のある汎関数は比較的早期に開発されたB3LYPであり,分散項および長距離補正を含む最近開発された汎関数よりも非調和ポテンシャルの推定においてより良い精度を有している。一方,BzOHは不一致シミュレーションと計算レベルへの大きな依存性を示し,BzOHなどの他の低周波数モードと浅いポテンシャルと強い非調和結合を持つ柔軟な分子に対して,任意のDFT計算レベルでのスペクトル再現はポテンシャルエネルギー面の非常に困難な推定のため十分ではないことを示唆した。(翻訳著者抄録)