抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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酒粕エキスがストレス誘発性のウツ様行動,疼痛関連行動,および脊髄後角における侵害応答に与える影響を,心理・身体的ストレスモデルである繰り返し強制水泳ストレス(FST)モデルラットを用い基礎的に検討した。FSTは3日間(10分/日)実施し,4日目に疼痛検定および脊髄侵害応答をFosタンパクの発現を指標に定量した。またFST処置中の非水泳時間をウツ様行動の指標とした。酒粕はエタノール含有エキスと凍結乾燥処置エキス(SLX),生食水のいずれかを,FST処置の30分後,腹腔内投与した。SL,SLXのエタノール含有量はそれぞれ2.7%,0.4%であった。ストレス処置によるウツ様行動はSLそしてSLXいずれもウツ様行動を有意に低下させた。次に足底ホルマリン刺激による疼痛関連行動を観察した。ホルマリンを足底に注射すると,ラットは足舐め行動を示す。この足行動を疼痛行動の指標として侵害応答を定量した。3日間の繰り返しSLまたはSLX投与は,疼痛関連行動を有意に減少させた。さらに足底ホルマリン刺激による脊髄後角(腰髄)でのFosタンパク陽性細胞数に対するSLまたはSLXの影響を検討した。SLおよびSLX投与群は生食水群と比べ有意にFos陽性細胞数の減少を認めた。そして酒粕エキスの効果はlaminae1-2およびlamina5で観察された。以上の結果は,酒粕エキスはストレス誘発性のウツ様行動,および痛覚過敏の軽減効果があり,酒粕はストレス応答を制御する作用を有することを示唆するものである。(著者抄録)