抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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金属ガラスは金属的(高い電気伝導率)とガラス的(熱可塑性)性質の両方を持つ。従って,金属ガラスは,金属的性質が必要な精密処理製品のような種々の用途に期待されている。機械的なクリープは,熱的ガラス転移によるガラス状態から過冷却液体状態への転移の結果としてのガラス状材料で表されると暗に考えられている。しかしながら,熱的ガラス転移と機械的クリープの間の関係はこれまで詳細に調べられてこなかった。本研究においては,種々の負荷した引張応力および加熱速度の下でのクリープ開始温度を得るために,典型的な合金系であるZr
55Cu
30Ni
5Al
10金属ガラスにおけるクリープ挙動を熱機械分析(TMA)によって測定した。結果として,5MPaの負荷引張応力において,クリープ開始温度は加熱速度の増加とともに単調に増加し動力学的傾向を示した。他方,負荷引張応力が25MPa以上である時,クリープ開始温度は加熱速度の増加と共に一時的に低下し,そして増加に転じた。これは熱的ガラス転移とは異なり動力学的傾向ではなかった。金属ガラスのクリープ過程では熱的ガラス転移によるクリープ過程に加えて,他のクリープを抑制する過程が競合すると推察している。(翻訳著者抄録)