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J-GLOBAL ID：201902289379424318   整理番号：19A1861570

出雲崎海岸地区における町家の空間構成に関する研究 海岸との関係からみる集住の仕組みと居住空間の変容

A STUDY ON THE SPACE COMPOSITION OF THE TRADITIONAL TOWNHOUSE IN IZUMOZAKI, NIIGATA The system of habitation and transformation of living space in relation to changes in the coastline

著者 (8件)： 西村伸也 (新潟大学工学部建設学科) ,  棒田恵 (新潟大学工学部建設学科) ,  渡部裕樹 ((株)高田建築事務所) ,  橋爪隆一 (東日本旅客鉄道(株)) ,  小林勉 (和洋女子大学家政学部家政福祉学科) ,  石黒翔梧 (新潟大学大学院自然科学研究科) ,  甲賀達郎 (新潟大学大学院自然科学研究科) ,  横川遥哉 (新潟大学大学院自然科学研究科)
資料名： 日本建築学会計画系論文集  (Journal of Architecture and Planning (Transactions of AIJ))
巻： 84  号： 759  ページ： 1049-1056(J-STAGE)  発行年： 2019年 
JST資料番号： Y0894A  ISSN： 1340-4210  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 数世紀にわたり,伝統的な住宅とそれらの村は,その時代の居住者の要求によって徐々に変換されるシステムとして続いてきた。ユニークな要素が,自然環境,地域気候および歴史に関連する,村の構造,空間構成および居住者の行動の中に存在する。いくつかの部屋を外向きに拡張することにより,住宅間のギャップを共有するシステムである,ヘヤイである。これらの建設は,隣接住宅間の空間の大部分を除去するものである。一方,ダシダナは,漁村で見出された多機能空間であり,ヘヤイとともに,新潟県,出雲崎における町家の設計のための重要な要素である。本研究では,建物の正面としての,ヘヤイに焦点を当てて町家の空間的変換の特性を明らかにするとともに,ダシダナとしての廊下の革新にも焦点を当てた。本論では,出雲崎の町家の正面に関するヘヤイの分布を調べた。さらに,研究は空間構成の変換を分析し,ダシダナが村の構造の変化によってどのように影響されたかを分析する。研究によって次の結果と所見を得た。1)部屋を室外を広げることにより町家間のギャップを共有するシステムである,ヘヤイは出雲崎で一般的である。この空間は,靴箱,仏壇(家庭内祭壇),および洗面台として利用される。2)漁家(漁師の家)は狭い前面を持つ傾向があり,そのヘヤイは主に出雲崎の「かみ(西)」側に位置していた。代わりに,商家(商人の家)はより広い前面を持ち,部屋居は村の「しも(東)」側に位置する。3)これらの町家は,裏側にダシダナを所有しており,それは,漁師の作業空間,乾燥空間または貯蔵空間として使用されている。床レベル,壁,床及び天井の材料のようなダシダナの建築的特徴は,商人によって所有されている町家と漁師の町家の間で異なるものであった。4)1980年頃の海岸に沿ったバイパス道路の建設は,村の構造を変化させ,町家の裏面が来訪者のための主要な入口となることを促した。5)村の構造における変化は,ダシダナの減少,廊下階の改修,および町家のアプローチ路における変化をもたらした。6)訪問者は,漁師の町家には正面または後部から近づいているが,商人の町家については,アプローチは正面のみから行われている。7)漁師の町家の後部から訪問者が接近する場合には,その接客空間が前側に位置している町家が伝統的な生活方法を維持しているからである。逆に,ライフスタイルは,接客空間が裏側に位置する住宅に住む居住者に対しては反転した。出雲崎における村の構造に対する変化に従って,町家の裏側からのアプローチは日常生活の重要な側面になっている。さらに,伝統的な空間,ヘヤイ,ダシダナ,回廊床の改修,および町家のアプローチに関連する空間構成における変換があった。本研究では,特定の部屋の機能を変化させるという,海岸地区の町家居住者が変化に適応したシステムを明らかにしたが,同時に,可能な限り伝統的な空間構成を維持した。(翻訳著者抄録)

シソーラス用語： 新潟県 ,  *沿岸地区 ,  *独立住宅 ,  *空間構成 ,  海岸地形 ,  集落 ,  住環境 ,  *増設 ,  廊下 ,  ファサード ,  改造 ,  方位角 ,  漁業 ,  商業 ,  バイパス道路 ,  出入口 ,  アクセス道路 ,  *平面計画 ,  ライフスタイル ,  経時変化
準シソーラス用語： 出雲崎町 ,  町家 ,  ヘヤイ ,  ダシダナ

著者キーワード (12件)： - ,  - ,  - ,  - ,  - ,  - ,  - ,  - ,  - ,  - ,  - ,  -

分類 (2件)： 住居地域計画一般  (RD03010G) ,  建築設計,建築家,建築史  (RB04000W)

引用文献 (13件)：

• 1) Sato, Y., Miyazaki, T. : A Study on Vertical Plane Component in the Boat Dealer Village -The example of Ine-, Outline of lecture of 44th academic lecture of Nihon University college of production engineering (2011-12-3), pp. 721-724, 2011.12 佐藤佑宇, 宮崎隆昌:舟屋集落における立面構成要素に関する研究-伊根町の事例-, 日本大学生産工学部第44回学術講演会講演概要 (2011-12-3), pp. 721-724, 2011.12
• 2) Yashima, K., Miyazaki, T., Agata, S. : A study about the space composition in the coast region village (2) -The characteristic of the buffering spaces of the coast region village in Ine-, Summaries of Technical Papers of Annual Meeting, Architectural Institute of Japan, E-II, pp. 621-622, 2009.7 八島健介, 宮崎隆昌, 懸真之介:沿岸域集落の空間構成に関する研究(2)-伊根沿岸域集落における緩衝空間の配置特性-, 日本建築学会大会学術講演梗概集, E-II, pp. 621-622, 2009.7
• 3) Okano, T., Kuroyanagi, A., Nakamura, S. : A study on living space characteristic of fishing villages with boathouses on coastal zone where is rainy and snowy, Journal of Architecture, Planning and Environmental Engineering (Transaction of AIJ), No. 526, pp. 131-138, 1999.12 岡野崇裕, 畔柳昭雄, 中村茂樹:沿岸多雨・多雪地域に立地する舟小屋を有する集落の生活空間特性に関する研究-生活環境としての集落・民家・生活習慣の成立について その2-, 日本建築学会計画系論文集 第526号, pp. 131-138, 1999.12
• 4) Tsuboi, Y., Uchida, F. : Study on the relation between the regional wind and the structure of living spaces in coastal fishing villages. -As a case Ui village, that have boathouses, in Toyooka city-, Proceedings of annual research meeting of Chugoku Chapter, Architectural Institute of Japan (AIJ), Vol. 33, pp. 1-4, 2010.3 坪井祐太, 内田文雄:沿海漁村集落における風環境と生活空間形成との関係性についての考察-舟小屋を有する集落, 豊岡市宇日を事例として-, 日本建築学会中国支部研究報告集 第33巻, pp. 1-4, 2010.3
• 5) Shibamine, T., Imamura, Y. : Remaining Condition and Appearance Character of Ship Huts in Niigata Prefecture, Proceedings of annual research meeting of Hokuriku Chapter, Architectural Institute of Japan (AIJ), Vol. 54, pp. 409-412, 2011.7 柴嶺高行, 今村洋一:新潟県における舟小屋の残存状況及び外観特性, 日本建築学会北陸支部研究報告集 第54巻, pp. 409-412, 2011.7

タイトルに関連する用語 (8件)： 海岸 ,  地区 ,  町家 ,  空間構成 ,  研究 ,  仕組み ,  居住空間 ,  変容