抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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残留抵抗比RRR≒50をもつ高品質Nb薄膜を使用して超伝導マイクロ波共振器を作成し,その共振特性を詳細に調べた。測定された内部Q値Q
iの最高値はQ
i≒4×10
7に達した。これは,これまでに報告されたNb薄膜超伝導マイクロ波共振器の中で最も高い値である。Nb共振器の内部Q値Q
iが極低温で低下する傾向を示したが,これは主に超伝導体中の残留準粒子の近藤効果による残留抵抗の増加に起因することがわかった。さらに,共振周波数の変動δf
r/f
rは,T≦T
c/6K以下で幅広いピークを示すが,これは,超伝導体の残留準粒子の力学インダクタンスの寄与に起因する可能性が高いことがわかった。共振器内の強いマイクロ波電界によって残留準粒子のエネルギー再分布が誘起されるが,これによって,主に準粒子の常伝導電気伝導度に寄与するフェルミ準位近くの準粒子の数が,マイクロ波電界の増加とともに減少することが明らかになった。その結果,読み出しマイクロ波パワーの増加に伴う内部Q値Q
iの増加が,共振器内の強いマイクロ波電界の下での準粒子エネルギーの再分布による準粒子数の減少とそれに伴う準粒子電気伝導度の低下によって引き起こされることが明らかになった。(著者抄録)