抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年注目されている粗放型屋上緑化は,薄層土壌を用いる特性から導入可能な植物種に制限があることや,集中豪雨時の保水量が僅少である点が問題視されてきた。バイオ炭の土壌への混合とセダムの混植は土壌内の水分量を高く保つことが報告されているが,現状では各方法の有効性の検証に留まっている。そこで本研究では,両方法を用いた場合の相乗効果を期待し,その組み合わせが植物体の生育状況および保水量に及ぼす影響の検証を目指した。対象植物としてオジギソウとローズマリーを,セダムとしてシロバナマンネングサを用い,温室内において乾燥条件下における栽培実験を16日間行った。また,バイオ炭の混合率を0%,15%,30%,60%とし,セダム混植の有無で分けて栽培した。その結果,両方法の組み合わせにより保水量および土壌水分量に統計的に有意な相乗効果はみられなかった。一方で,両方法を施した場合でも対象植物の顕著な生育悪化はみられず,バイオ炭の混合率の増加に応じて保水量が向上した。以上より,両方法により顕著な相乗効果は期待されないものの,バイオ炭混合により生育悪化を防ぎつつ降雨時の保水量向上が期待されることが結論づけられた。(著者抄録)