抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,事業の多角化に影響する要因を分析することによって,農業経営における起業家精神を定量的に解明することである。農業経営の多角化には様々な形態があるが,本研究では多角化の中で主要な形態である農産物加工と消費者への直接販売に焦点を当てる。事業多角化は農業経営の収益性を向上させるだけでなく,農村地域を活性化することが期待されている。しかしながら,近年,日本では農業経営の事業多角化は伸び悩んでいる。農業経営の事業多角化は,起業家精神,農業構造,自然・社会経済的条件によって決定されると想定される。そこで,本研究では,地域の農業構造と自然・社会経済的条件から事業多角化の水準を説明するモデルを推定する。そして,その残差を基に地域の起業家精神の水準を把握する。地域における起業家精神を規定する要因としてソーシャル・キャピタルを取り上げ,ソーシャル・キャピタルが起業家精神に与える影響を明らかにする。使用する主なデータは,2010年と2015年の農業センサスと社会経済統計の市町村別パネルデータである。最後に,分析結果に基づいて,農業経営と農村経済の振興のための政策含意を導き出す。(著者抄録)