抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,職場における男女共同参画の実現に役立つ性差羨望尺度を作成することを目的とした。研究Iにおいて男性74名と女性58名(2つの銀行と1つの工場の就労者)に対して性差羨望尺度(女性の男性への良性羨望尺度と男性の女性への注意すべき羨望尺度)を実施した。因子分析の結果,12項目からなる女性の良性羨望尺度は2因子(向上動機と切望)が,一方,12項目からなる男性の注意すべき羨望尺度は2因子(批判と劣等感の挑発)が抽出された。この2つの尺度の信頼性は,クロンバックの信頼性係数から検証された。研究IIにおいては,次の2点から女性の良性羨望尺度の内容的妥当性を検証していった。専業主婦58名と就労女性43名(教師,営業員,事務員)との良性羨望尺度得点の比較結果から,就労女性のほうが専業主婦よりも男性への良性羨望が強いことが明らかにされた。次に研究IIの結果をもとに良性羨望尺度得点が高得点の者(8名)と低得点の者(7名)に言語連想法を実施してフロイドのいうペニス羨望の有無の検証を行った。その結果,明確なペニス羨望の存在の根拠は示されなかった。本研究から作成された性差羨望尺度が,職場での男女共同参画の評定に活かされることが示唆された。(著者抄録)