抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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一般環境では針葉樹は他の生物より敏感であることが知られており,1種の針葉樹で放射線量評価法を確立しその背景自然線量を得ることを計画した。初の商業使用済み核燃料再処理施設では原子力規制委員会による安全性最終見直しが実施されており,施設の主排気筒約4kmのクロマツ(Pinus thnbergii)林を研究対象場所とした。加えて,施設から排出可能な放射性ヨウ素に関し森林のヨウ素動力学も検討した。対象場所にある平均的なクロマツ3個体を用いて,形態,重量,基本的組成および放射線核種濃度データを得ることとした。2017年度に最初の個体を採取して様々な測定を行った。2018年度には,2018年7月31日から8月1日に2番目の木を採取した。地上部重量は430kg,地下部重量は96kgであった。2番目の樹木周辺のリターと深さ1~2mの土壌サンプルも収集し,見かけ密度および放射線量評価のため安定元素と放射性核種濃度を分析した。モンテカルロ法を用いた放射線輸送コード(EGS5)により樹木への放射線量評価をするため,2016年度と2017年度収集サンプル樹木5個体の結果から地上部のマツのファントムを構築した。ファントムは,高さ3種の側枝で1x1x1mmボクセルのボクセルファントム幾何形状主構造からなる。対象圃場では平均サイズの松の樹冠には異なる高さの3から4本の側枝を持つ約25の節がある。EGS5とファントムを用いて推定した地上部全体の吸収線量は宇宙線を含めて61nGyh
-1であった。森林ヨウ素動力学を研究するため,森林内部と外部で採取した植物,大気および水文学サンプルの安定ヨウ素濃度を測定した。非降雨期間のデータから,大気から3つの林冠への粒子,有機および無機ヨウ素の平均乾燥沈着量は各々5.0E-3ms
-1,5.0E-4ms
-1および5.0E-2ms
-1であった。2018年7月から2019年3月におけるステムフローによるヨウ素平均除去率は7.8E-7gm
-2d
-1と推定された。(翻訳著者抄録)