抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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都内のチューリップ切り花生産は,施設内土壌の長年の使用からの連作障害等が課題となっている。一方,我が国の水耕栽培の研究・開発の主体は,大規模生産者向けが中心であり,都内の花き生産には適合しなかった。そこで,これまでの研究報告を参考に,東京のチューリップ生産に適応する小規模で直売用,そして高齢者や新規就農者にも向く簡易水耕キットを開発した。本水耕は,球根支持体「鉢トレイ&ヤシ殻繊維」にガーデンパレットまたは農業栽培槽H-6型を組み合わせるもので,以下の特徴がある。1)栽培装置は,鉢トレイ,ヤシ殻繊維,アンダートレイとしてガーデンパレットまたは農業栽培槽の3および4種類の資材を用いて簡単に設置できる。2)ヤシ殻繊維で球根を包むため球形や大きさに合わせやすく,球根の固定に優れる。鉢トレイを2枚重ねてできる間隙は,根の充実した伸長を促す。3)給液管理は,根長1cmくらいまでは水道水のみ,それ以後は,養液栽培用肥料のOATハウス液肥A処方1/8濃度を,1回/週交換する。4)生産者は,アンダートレイとしてガーデンパレットまたは農業栽培槽を生産規模に応じて選べる。ベンチ上で管理でき,狭い面積で,効率よい切り花生産が可能である。5)本水耕キットの1台当たり設置費用は,ガーデンパレット約1,150円,農業栽培槽H-6型約26,000円である。なお,本水耕キットは土を使わないため,切り花のみならず,店頭に置いて消費者が好みの花をヤシ殻繊維ごと抜き取って選ぶことができ,根付きのドリンクカップ鉢物など,多様な使い方ができる。(著者抄録)