抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1.序 本研究は,アーカイブ技術と米国における建築記録の検索のための支援の間の関係について考察した。この関係を明らかにすることは,日本におけるアーカイブ実践の確立にも貢献できる。この目的のために,まずプロジェクト計画の概要を示すが,これは,補助金の応募提案(第2章)として,アーカイビストNancy Loeによって準備された。次に,プロジェクト成果(第3章)に従って作成した,検索支援の構成要素を分類した。最後に,提案(第4章)との結果を比較した。2.Loeの補助金提案の概要 建築家Julia Morganの論文と記録のアーカイブ処理のためのプロジェクト計画をレビューした。カリフォルニア州立工科大学のアーカイビストであるNancy Loeは,国立人文科学基金(NEH)による補助金のために,5つの章から成る計画を準備した。Loeは,第2章方法と基準で,アーカイブ技術と検索支援について述べ,第2節整理及び表現で,アーカイブ技術をまとめている:ShepherdおよびWaverly Lowellの標準シリーズによる整理,フォルダレベルでの記述,およびプロジェクトインデックスの付加。第4節検索支援,EAD Webサイト,MARC記録は検索支援の方法を示す:EAD(符号化アーカイブ記述)とMARC(機械判読記録)。3.検索支援の構成要素の組織化 次に,2005年-2007年補助金のプロジェクト成果に従って作成したJulia Morgan報告書の構成要素を整理し,配置と記述に関して作成した。シリーズレベル(EADのみ)の配置と収集と項目レベルでの記述に焦点を合わせると,対象は,4つのオンラインリポジトリである:OAC(カリフォルニアのオンラインアーカイブ)のEADウェブサイト,WorldCatからのMARC記録,KLOA(ケネディ図書館オンラインアーカイブ,カリフォルニア州立工科大学),およびCalispherである。4.比較と議論 最後に,プロジェクト結果を提案と比較することにより,アーカイブ技術とオンライン検索支援を論じた。最初に,OACをシリーズレベル配列(4.1)で標準シリーズと比較した。第2に,OACを,収集時の表現とシリーズレベルの表現そして内容リスト(4.3)について,アーカイブ記述標準DACS(記述アーカイブ:コンテンツ標準)と比較した。第3に,収集レベル記述におけるOACとWorldCat,および項目レベル記述(4.3)におけるKLOAとCalispherを比較した。最後に,アーカイブ技術の特徴とすべての検索支援技術間の相互関係を,議論した(4.4)。5.結論 本研究では,Loeの補助金申請提案とプロジェクト結果を参照して,アーカイブ技術と建築記録の検索支援との関係を調べた。結果は検索支援に関して以下の点を明らかにした。1)検索支援は,コンテナリスト,インデックス,インベントリのようなモジュールから成る;2)検索支援を複数の方法で整理することができた。さらに,本研究は,検索支援を構成するための手順としてのアーカイブ技術の次の特徴を示した。(i)インベントリは,創造者の役割と活動を表す標準系列によるマルチレベル検索支援のシリーズレベルでの配置によって行われる;(ii)コンテナリストとプロジェクトインデックスは,主にフォルダレベルで,そして,一部はアイテムレベルで,マルチレベル検索の記述によって作られる。そして(iii)EADによるマルチレベル検索支援だけでなく,MARCによる単一レベル検索支援もアクセスを強化するために行う。本研究はケーススタディに限られていた;今後,日本におけるアーカイブ過程の実践に,米国で利用されるアーカイブ技術を適応させるようにしたい。(翻訳著者抄録)