抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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X線イメージング検出器は汎用性の高い計測ツールとして広く用いられている。X線透過像をミクロン~サブミクロンの高い空間分解能で検出する場合,X線像をシンチレーターで可視蛍光像に変換し,レンズでイメージセンサーに拡大投影する間接変換型X線イメージング検出器を使用する事が一般的である。一方で,この構成ではシンチレーターや支持基板の界面,その接合層で生じる可視光の拡散が原因で像が滲むため,500nm前後の構造の解像が限界であるとされてきた。我々は可視光の拡散を極限まで抑制することを狙った開発をこれまで行ってきた。具体的には,透明セラミックス技術を用いて光の散乱要因である気孔および接着層を持たない薄膜シンチレーターを開発し,可視光の拡散を抑制した。これを組み込んだX線イメージングユニットを構築,その空間分解能の評価を実施し,200nm line-and-spaceパターンの解像に成功した。また,この性能を用いて超大規模集積回路(VLSI)内層部の300nm幅アルミ配線の撮像に成功した。本研究成果で,間接変換型X線イメージング検出器の限界に近い解像力を安定して引き出す手法を確立することが出来た。現行機は視野が130μm程度と狭いが,ビームプロファイル計測等の用途であれば十分であり,X線自由電子レーザー施設SACLAおよび大型放射光施設SPring-8において高精度ビームモニターとして運用に至っている。この解像力をさらにX線CT等の利用実験に適用するには視野の拡大が必要である。本稿の終わりにその方向性について触れる。(著者抄録)