抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ヒトの精神的状態は居住環境に影響される。近年,電気生理学的手法によってヒトの脳に香りが与える影響が検討されている。しかしながらそれらは主に覚醒度に関する評価であり,居住環境の香りによる脳内の認知処理過程を段階的に明らかにしたものは知る限り存在しない。そこで,スギの無垢材と樹脂系建材を内装とする2棟を建設し,木質居住環境中の揮発性成分をGC/MSにより定量化し,同時に若年成人18名を対象に初期視覚野成分P100,非自発的注意成分ミスマッチ陰性電位(MMN),自発的注意成分P300を測定し,脳内の認知処理過程を段階的に評価した。その結果,セスキテルペン類の濃度はスギ無垢材等において有意に高かった(P<0.05)。また,視覚性MMN成分はスギ無垢材棟においてのみ顕著に認められた(P<0.05)。よって,スギ無垢材を内装に用いた場合,その主な揮発性成分であるセスキテルペン類が非意図的な注意機能を初期の視覚野レベルで高める可能性が示唆された。(著者抄録)