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J-GLOBAL ID:202002238828889223   整理番号:20A1093059

雨掛かりを考慮した外壁通気構法の水分挙動に関する研究(その1):通気層への雨水浸入および外装材吸水が壁内湿度に及ぼす影響

STUDY ON HYGROTHERMAL BEHAVIOR OF WALL ASSEMBLY WITH VENTED CAVITY IN CONSIDERATION OF DRIVING RAIN (PART1): IMPACT OF RAIN PENETRATION AND WATER ABSORPTION OF EXTERIOR SYSTEM ON HYGROTHERMAL BEHAVIOR WITHIN WALL ASSEMBLY
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資料名:
巻: 85  号: 767  ページ: 19-28(J-STAGE)  発行年: 2020年 
JST資料番号: L4761A  ISSN: 1348-0685  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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多くの木造住宅の耐久性向上のために,サイディングを用いた外壁通気構法が設置されている。非常に狭小な敷地に建築した軒の少ない家が近年増えている。著者らの湿害調査によれば,内部の結露が発生する住宅の多くは10年足らずで建てられた。これらの住宅の劣化したサイディングとジョイントは,吸水と降雨浸透の可能性がある。これらの蓄積された水分は,日射によりサイディングの表面温度が上昇すると,スタッドキャビティ内に結露を引き起こす重要な影響があると考えられる。しかし,外部仕上げでの吸水や雨の浸透などのこれらの影響を考慮した湿熱挙動に関する研究はほとんどない。雨水の水分による内部凝縮の機構を解明するために,実験室実験および現場測定を行った。実験室実験では,サイディングの水浸透率と吸水率を定量化した。現場測定では,通気孔に雨水を断続的に注入することで内部の結露を再現した。さらに,異なる換気形態の乾燥性能を,現場測定における壁集合体内の湿度と含水率の変動によって比較した。調査結果は次のとおりである;(1)サイディングジョイントからの雨水浸透量:4つの設置方法のサイディングジョイントからの雨水浸透量を散水試験により測定した。設置方法によって水の浸透量に大きな違いがあることを確認した。結露が発生した場合,低風速のときの水浸透率は5~12%であった。この結果から,雨天時には断続的に雨が浸透する頻度が高いと考えられる。(2)サイディング表面からの吸水試験:チョーキングによる吸水量と試験直後の音の吸水量は,それぞれ0.62kg/m2と0.06kg/m2である。この結果は,エージングによる表面皮膜の劣化に伴って吸水量が増加することを示唆している。さらに,吸水直後は吸水しているため,雨が降る度に吸水して保持されると考えられる。(3)実験住宅の外壁内の湿熱挙動に及ぼす外部システムの雨浸透と吸水の影響:実験住宅の外面仕上げのために,劣化したサイディングを4種類のベントキャビティに取り付けた。外壁内の湿熱挙動を検証するために,著者らは,通気孔のある空洞への断続的な長期間の雨の浸透を再現し,温度,湿度,含水量の変動を測定した。著者らは,サイディングと通気孔に保持された水分が外壁内に放出されたときに,外壁内の水分蓄積が壁の東側で再現されていることを確認した。この現象は,雨の後の日射によってサイディングの表面温度が上昇したときに発生した。特に換気性能が低い構成の場合,日中10~13時間結露が発生した。換気性能を確保した構成では,内部の結露は発生しなかった。結論として,前述の結果は,雨水による蒸気リターダーでの水分凝縮が,いくつかの要因,すなわち,雨の浸透,吸水,不十分な換気,および日射の共起によって引き起こされることを確認した。(翻訳著者抄録)
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建築環境一般 
引用文献 (16件):
  • 1) National Institute for Land and Infrastructure Management Ministry of Land : Research on construction method and its performance of external envelope of timber framed houses for durability upgrading, TECHNICAL NOTE of National Institute for Land and Infrastructure Management No. 975, 2017(in Japanese) 国土技術総合研究所 : 木造住宅の耐久性向上に関わる建物外皮の構造・仕様とその評価に関する研究, 国土技術政策総合研究所資料第975号, 2017
  • 2) JIO Corporation : Waterproofing construction manual 2017, GIHODO SHUPPAN Co. Ltd, 2017(in Japanese) 日本住宅保証検査機構 : 防水施工マニュアル(住宅用防水施工技術) 2017, 技報堂出版株式会社, 2017
  • 3) Kimura, Y., Ishikawa, H., Akune, H., Kusuki, Y. and Makita, H. : Model tests on rainwater movement around flashing at roof abutments Part1, Summaries of Technical Papers of Annual Meeting, Architectural Institute of Japan, Materials and Construction, pp. 1361・1362, 2013.7(in Japanese) 木村雄太, 石川贋三, 阿久根浩, 楠木義正, 牧田均 : 屋根の雨押え部における浸入雨水の挙動 その1, 日本建築学会大会学術講演梗概集, 材料施工, pp. 1361-1362, 2013.7
  • 4) Nil Sahal. and Michael A. Lacasse : Water entry function of a hardboard siding-clab wood stud wall, Building and Environment, pp. 1479-1491, 2005
  • 5) Michael A. Lacasse : Recent studies on the control of rain penetration in exterior wood-frame walls, IRC Building Science Insight, pp. 1-6, 2003
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