抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,進行中の「墓じまい」の現状を把握することを目的とした。墓じまいとは,祖先の遺骨を除去し,後継者がいないなどの理由のために,墓地における分割をもとに戻すことである。北海道における全179地方自治体に対して,5年間の放置墓数,合葬墓,遺骨の移動状況に焦点を当ててアンケート調査を行った。その結果,以下の知見が得られた。放置墓数は着実に増加し,管理者による墓じまいは約2倍増加した。ユーザからの墓地の返還は,過去5年間で約1.5倍と着実に増加しており,遺骨の移動の約半分を占めている。墓地の管理者は,墓じまいの主な理由は,後継者の不足,居住地の変更,そして新しい埋葬地への変更が原因であることを認識している。近年,公共墓地が普及している。過去5年間で,遺骨の合計許容量は3倍になり,実際の埋葬数も2倍になった。移送された遺骨の数は過去5年間に1.5倍に増加した。公共墓地への移動は4.5倍に増加し,墓じまい後の主要な目的地となっている。遺骨群が地方自治体の枠を超えて移動され,新たな合葬墓が建設されたため,合葬墓は,墓じまいを加速させる主な要因と考えられている。(翻訳著者抄録)