抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究は,観測データだけでなくメソスケール格子解析データを用いて,台風ハギビス(2019)の通過中の東日本における豪雨の発達の原因となる環境因子を調べた。安定性と湿度状況を診断するための環境指標を検討した。対流圏全体がほぼ飽和しており,カラムの総水蒸気量は非常に大きいことが分かった。対流圏下層に,2kmより深い厚さを持つ湿潤な絶対不安定状態の層を同定した。このような深く湿った絶対不安定層と豊富な水分含有量でほとんど飽和した対流圏は対流発達の高い可能性を設ける。これらの好ましい環境条件の下で,絶対不安定層の底の高さが山岳高度に匹敵するという事実は,不安定な湿潤空気の地形性のリフティングに適していると考えられ,強い対流のきっかけとなり,それにより豪雨を活性化する。中程度の量の対流可能なポテンシャルエネルギーとほぼ湿潤断熱的な減少率にもかかわらず,湿潤絶対不安定,豊富な水蒸気,および高い湿度が,現在の豪雨を発生させる可能性を増加させるために重要な役割を果たしている。(翻訳著者抄録)