抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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世界遺産の歴史的集落がある五箇山では,伝統的な手すき和紙である五箇山和紙が約600年の長いサクセスストーリーを持っている。和紙の原材料は,森で育ち畑で栽培されている植物から調達・収穫されている。地域産業としての和紙の生産は,天然資源の利用や地域住民の生活に関連し,文化的景観にも影響を与えている。本研究は,和紙産業の変遷と和紙生産の状況に関連する文化的景観の特徴を明らかにし,地域の景観保全に向けた取り組みを検討することを目的としている。マップワークと現地調査の結果,明治後期以降,土地利用は劇的に変化した。これは和紙の原材料である楮の畑も含む。これらは昭和初期には急激に衰退したが,明治期を代表する伝統的な土地利用や空間構造の保存地域を見つけることができた。生産の状況は,家庭生産から地域密着型の組合に変わった。この業界の活性化に伴い,和紙の生産量が増加する傾向が顕著であることが分かった。伝統的な栽培と生産プロセスの一部は保存されているが,これは文化的景観保護の重要な要素である。(翻訳著者抄録)