抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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プノンペンの中央地区の都市ブロックは,本論で「商業ブロック」と定義され,ショップハウスから構成されており,住民の生活と商業活動の混合環境を満たしている。しかし,これらのブロックは,複数のショップハウスの設置と再開発による再編成の過程にある。現在の動きは,商業ブロックの多様な使用と住民の多様性を統一することにより,住環境の喪失をもたらすことが懸念されている。多様性は,発展途上国と先進国の両方で現代の課題と見なされているが,都市ブロックの持続可能性に対する鍵の一つである。本研究は,住居と職場の近接性と家庭の多様性に焦点を合わせた,大規模インタビュー調査から得られたデータベースを利用して,商業ブロックの居住特性を明らかにすることを目的とした。それはまた,都市全体を相対的な方法において,商業ブロックのそのような特性を検証することができない,ショップハウスに関する以前の研究の限界を克服することを意図している。本研究の結果は以下の通りである;1)「住宅/住宅地における定住」という名の住民クラスタでは,人々は彼らの住宅または居住地域に長い時間滞在し,商業ブロックから成る都市中心部における最大のグループに所属する。しかし,このクラスタは他の地域でも支配的である。「中間」と呼ばれるもう一つのクラスタでは,人々が中距離の移動を行い,彼らの住宅または住宅地に一定の期間滞在する,都市中心部における2番目に大きいクラスタである。他の地域と比較して,家庭と職場の近接性によって特徴づけられる生活パターンは,商業ブロックにおける支配的なパターンであると言うことはできない。2)商業ブロックにおける住民の移動距離に影響を及ぼす3つの要因があり,それは,a)家庭によって所有される車両の数,b)職業b)家庭と職場との一致である。これらの因子の中で,第3の因子は最も強い影響を持ち,それは,住民の外出をより少なくし,より短い移動距離となる。3)家庭で働く居住者は1階に居ることが多く,特に商業ブロックの外縁部に分布し,上層階ではほとんど観察されない。それらの生活パターンの特性により,異なる範囲の生活圏が,「都市ブロックの外縁部における1階部分」,「都市ブロックの内部における1階部分」および「上層階」と定式化される。そして,4)家庭タイプの空間分布には,商業ブロックにおける垂直と水平方向の両方で有意差がない。他方,高所得家庭は,1階と商業ブロックの外縁部に分布し,低所得家庭の比率は,上層階で増加する傾向がある。これらの結果は,商業ブロックのいくつかの特性を示しており,それらは,a)商業ブロックには3つの異なる生活圏があり,「ブロック外縁部の1階部分」,「ブロック内部の1階部分」,「上層階」である。b)家庭タイプは,全体ブロックと垂直方向の家庭所得分布の階層構造を横断して,様々な家庭タイプの均等分布による多様性を示し,また,c)商業ブロックは,その持続可能性を維持するのに寄与している,多様な居住者の生活ニーズとライフステージに適合する柔軟性を有している。(翻訳著者抄録)
