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J-GLOBAL ID:202002257369163990   整理番号:20A0750070

免震構造の擁壁衝突時の上部構造の応答評価と力積を用いた解析

RESPONSE EVALUATION AND ANALYSIS USING IMPULSE OF BASE-ISOLATED BUILDINGS DURING A COLLISION WITH RETAINING WALL
著者 (5件):
資料名:
巻: 84  号: 766  ページ: 1533-1543(J-STAGE)  発行年: 2019年 
JST資料番号: F0393B  ISSN: 1340-4202  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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免震システムは,地震時の建物の上部構造物の損傷を最小限に抑えるために,効果的な構造設計であることが実証されている。しかし,免震層の変形が,極限地震動下での設計値を超えると,上部構造は,周囲の擁壁のような変位制限装置と衝突する可能性がある。本研究では,免震試験体モデルが擁壁と衝突することを考慮した,振動台を用いた衝突試験を行った。相対層変位,床加速度および衝突中の免震試験体モデルで測定した衝撃力を考慮して,上部構造に対する衝突の影響について調べた。数値シミュレーションも行い,衝突時に測定された応答を再現し,解析結果と実験結果を比較し,衝突解析の数値モデルを検証した。さらに,衝突時の上部構造の挙動を再現できる力積を用いた時刻歴解析を提案した。知見を以下にまとめる。1)衝突時の層せん断力,床応答加速度および衝撃力の最大値は,衝突速度とほぼ線形関係を有する。床応答加速度と衝撃力の最大値は擁壁の剛性に依存するが,最大層せん断力は擁壁の剛性に殆ど依存しない。2)慣性力の総和により計算された層せん断力(Fi)に関しては,層せん断力(Fi)は,衝突のない場合の相対層変位を用いて計算した層せん断力(Fd)に近くなる。しかし,衝突がある場合には,高周波数成分を含む応答加速度のために,層せん断力FiとFdが異なる。床応答加速度を考慮することによって,試験モデルの最も高い固有振動数以上の範囲をフィルターにかけることによって,衝突時の層せん断力FiとFdの双方が類似の値になる。3)ロードセルにより測定された1階床衝撃力を用いて力積を計算することにより,力積は,壁剛性に殆ど依存しないことが分かった。何故なら,衝撃力は増加するが,衝撃時間は壁剛性の増加について減少するからである。従って,上部構造の最大層せん断力は力積に依存し,最大床応答加速度は最大衝撃力に依存する。4)MDOFモデルに対する衝突ばねを含む衝突解析により,実験結果を正確に再現できる。さらに,衝突時の上部構造の応答は,1階に作用する力積の時間履歴を採用した数値解析を用いて良く再現でき,そして,最大床応答加速度と層せん断力も実験結果と良く一致することを確認した。この解析法を用いることにより,衝突解析を用いることなく,衝突時の上部構造の最大応答を容易に予測できる可能性を示すことができる。(翻訳著者抄録)
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著者キーワード (12件):
分類 (1件):
分類
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建築物の耐震,免震,制震,防振 
引用文献 (17件):
  • 1) Suzuki, Y., Takenaka, Y., Urushizaki, T. and Saito, H. : Behavior of a Base-Isolated Building in Kushiro City for the Tokachi-Oki Earthquake in 2003 (Part1 and Part 2), Summaries of Technical Papers of Annual Meeting, Architectural Institute of Japan, B-II, pp. 279-281, 2004.7 (In Japanese) 鈴木芳隆, 竹中康雄, 漆崎隆, 斉藤一 : 2003年十勝沖地震における釧路市内免震事務所ビルの地震挙動について (その1, 2), 日本建築学会大会学術講演梗概集, 構造II, pp. 279-281, 2004.7
  • 2) Takayama, M., Morita, K. : A study on the response of seismically isolated hospital in Aso during 2016 Kumamoto earthquake, Summaries of Technical Papers of Annual Meeting, Architectural Institute of Japan, B-II, pp. 1051-1052, 2017.7 (In Japanese) 高山峯夫, 森田慶子 : 熊本地震における阿蘇免震病院での地震応答(けがき記録)に関する一考察, 日本建築学会大会学術講演梗概集, 構造II, pp. 1051-1052, 2017.7
  • 3) Earthquake Engineering Research Institute (EERI) : Northridge Earthquake of January 17, 1994 (Preliminary Reconnaissance Report), Earthquake Engineering Research Institute (EERI), 1994.3
  • 4) Shakal, A., Huang, M., Darragh, R., Cao, T., Sherburne, R., Malhotra, P., Cramer, C., Sydnor, R., Graizer, V., Maldonado, G., Petersen, C. and Wampole, J. : CSMIP Strong-Motion Records from the Northridge California Earthquake of January 17 1994, California Strong Motion Instrumentation Program 1994, Report No. OSMS 94-07, 1994.2
  • 5) Miwada, G., Komaki, J., Sato, K., Sano, T., Katsumata, H., Takiyama, H. and Hayashi, Y. : Experiments and Simulation Analysis of Collision to Retaining Wall with Real Scale Base-Isolated Building, Journal of Structural and Construction Engineering (Transactions of AIJ), Vol. 76, No. 663, pp. 899-908, 2011.5 (In Japanese) 三輪田吾郎, 小巻潤平, 佐藤浩太郎, 佐野剛志, 勝俣英雄, 多幾山法子, 林康裕 : 実大免震建物の擁壁衝突実験とそのシミュレーション解析, 日本建築学会構造系論文集, Vol. 76, No. 663, pp. 899-908, 2011.05
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