抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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かつて世界一の生糸生産量と輸出量を誇り,日本の近代化を支えた蚕糸業は,2018年の統計で養蚕農家数が300戸を切った。中国やインドも同様に,かつて養蚕が非常に盛んだった地域が一大商業都市となり,産地の衰退,他地域への移動が起こっている。しかし一方で,2000年に日本が世界に先駆けてカイコの遺伝子組換えに成功したことにより,カイコは新たな活路を拓いた。遺伝子組換えカイコによる有用タンパク質生産や新たな特性を付加した機能性シルクの開発に加え,シルクの成形加工による新素材開発研究の進展により,蚕糸業が医療・工業分野で実用化され始めているのである。さらにこれらカイコの新たな利用に伴う飼育周辺機器やAI等を利用した飼育や製造工程の技術開発を進められている。本特集では,「蚕業革命」と名付けられたこの状況における研究・開発事例を5名の専門家にご紹介いただく。それに先立って本稿では,国内外の蚕糸業の状況と蚕業革命と呼べる現在のシルクやシルクタンパク質生産の取り組みを紹介する。(著者抄録)