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J-GLOBAL ID:202002261685347938   整理番号:20A0716953

初期胚形成での染色体構造の親型から胚型への切り替え

Parental-to-embryo switch of chromosome organization in early embryogenesis
著者 (19件):
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巻: 580  号: 7801  ページ: 142-146  発行年: 2020年04月02日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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父由来,母由来のエピゲノムは,受精後に大きく変化する。最近のエピゲノム研究によって,卵母細胞や精子や着床前の初期胚に,通常とは異なるクロマチンの状況が存在することが明らかになった。その中には,非典型的なヒストン修飾パターンや,配偶子・受精後の両方に見られる染色体の特徴的構造やアクセシビリティーの相違などが含まれる。しかしこれらの研究からは,大きく異なる結論が導かれている。すなわち配偶子では局所的TAD(topological-associated domain)が広範囲にわたって見られないが,胚で出現するという結論と,受精卵にはTADとループがすでに存在するという結論である。新たに生じた胚では親由来の構造が受け継がれるのかどうかという問題や,これらの構造が対立遺伝子特異的な遺伝子調節とどのように関係するのかという疑問は,まだ解決されていない。今回我々は,最適化した単一細胞HiC(ハイスループット染色体構造捕捉)法を用いて,両親それぞれに由来するゲノム(X染色体を含む)の,着床前のマウスにおける相互作用をマッピングした。染色体の構造と対立遺伝子の発現状態とクロマチン標識を組み合わせて解析したところ,受精後の高次クロマチン構造の形成が,対立遺伝子特異的なヒストンH3リシン27のメチル化の多い位置に一致して見られることが明らかになった。両親のどちらかに応じた特異性を初期に示すこのような領域は遺伝子の抑制に関連しており,最近報告された一過性インプリント座位を含め,親に応じた遺伝子発現の偏りにも関わっていた。また,それに続くゲノム構築の第二波の間に,両親のどちらかに応じた特異性なしに生じるTADがあることも分かった。これらの新規TADは活性クロマチンと関連していた。さらに,着床前の雌性胚でX染色体の不活性化前と不活性化中に父由来X染色体の構造変化を調べることにより,TADと遺伝子発現との関係についての知見が得られた。父由来X染色体上では,遺伝子の発現が抑制されるのにつれてTADが消失するが,X染色体不活性化を免れる領域ではTADが残存していた。これらの知見により,初期発生の間にゲノムの三次元構造と遺伝子発現に複雑な動的変化が起こる様子が明らかになった。Copyright Nature Japan KK 2020
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分類 (1件):
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遺伝子発現 

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