抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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暑い環境での建設作業中の熱中症予防のための基本的なデータを得るために,換気作業服(VWW)の着用と取水量(RWI)の影響を分析した。最初に,34°Cの人工気候室(AC)で9人の男性の型枠職人を被験者として実験を実施した。次に,2017年8月に4日間,外部建設現場(CS)で4人の男性の型枠職人と1人の男性の鉄筋工を被験者として測定を行った。測定は8:00から17:00まで実施したが,次のように休憩によって分割する4つのシフトに分けた:8:00から10:00,10:30から12:00,13:00から15:00;および15:30から17:00。活動量(ACT)を継続的に測定した。WBGTをCSで測定した。発汗量(SR),裸の体重減少率(RBWL,ACのみ),着衣時の体重減少(RBWLC),およびRWIをそれぞれ測定し,単位時間あたりの作業前後の値の差として計算した。蒸発率(ER)は,RBWLCとRWIの合計として定義した。CSにおけるSRは,ACデータにおけるERとSRの間の回帰方程式を用いてERから推定した。AC実験では,作業中のSRは一定であり,RBWLはRWIと負の相関があり,作業者がVWWを着用しているかどうかに関係なく,統計的に有意であった。VWWを着用していない労働者のRWIとSRは,VWWを着用している労働者のRWIとSRよりも有意に高かった。ACTが増加すると,RWIは大幅に増加し,RBWLは減少した。これは,RBWLがACのRWIと負に相関する理由である。CS実験では,VWWを着用していない労働者のSRは,WBGTが増加するにつれて大幅に増加したが,RWIは大幅に変化しなかった;その結果,RBWLはWBGTとともに大幅に増加した。VWWを装着している人のSRは,VWWを装着していない人のSRよりも低く,WBGTの増加に伴ってほぼ一定のままであり,一方,RWIはWBGTの増加に伴って増加しなかった。これらの結果から予想されるように,WBGTが増加してもRBWLは一定のままであり,VWWを着用していない労働者よりも一貫して低かった。AC(1.8Mets)とCS(2.4Mets)の平均ACTの差により,CSの作業のERはACの作業のERよりも大幅に高かった。CS実験では,BWLを測定しなかったため,完全着衣時の体重減少(BWLC)による脱水率(DR)を推定した。暑い2日間に,VWWを着用している人と着用していない人のBWLCとDRの勤務シフト中の変動を比較した。シフトでは,VWWを着用していない労働者のBWLCは,VWWを着用している労働者のBWLCよりも有意に高かった。さらに,シフト間の休憩では,VWWを着用していない労働者によって回収された水の量は,VWWを着用している労働者よりも大幅に少なかった。その結果,最後のシフト後,VWWを着用していない労働者の平均DR(2.03)は,VWWを着用している労働者の平均DR(1.53)よりも高かった。建設現場の作業員が飲める水の量には限界があると仮定した。このように,CS設定では,主にRWIが不十分なため,WBGTの増加に伴ってRBWLが増加するが,SRを減少させるVWWを使用することで部分的に減少する可能性があることを確認した。(翻訳著者抄録)