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J-GLOBAL ID:202002266739301683   整理番号:20A0697715

チャープパルス増幅と位相制御による超高速・高強度光科学

Ultrafast and High-Intensity Science Opened by Chirped Pulse Amplification and Optical Phase Control
著者 (2件):
資料名:
巻: 75  号:ページ: 139-147  発行年: 2020年03月05日 
JST資料番号: F0221A  ISSN: 0029-0181  CODEN: NBGSA  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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光のパルス幅を極限まで短くしたら,どのような現象が見えるだろう?光の強度を極限まで強くしたら,どのような新しい現象が起こるだろう?超高速・超高強度のフロンティア開拓に決定的な役割を果たしたチャープパルス増幅(Chirped Pulse Amplification,CPA)を発明したGerard MourouとDonna Stricklandに,光ピンセットを発明したArthur Ashkinと共に,2018年ノーベル物理学賞が授与された.チャープパルス増幅は,超短パルス・高強度レーザー光を生成する方法である.CPAにより小型で高出力のTable-Top Tera(1012)wattレーザーが約30年前に誕生した.その後レーザーの高出力化が急速に進められ,10ペタ(10×1015)ワットレーザーが2019年に稼働を開始した.超高速の現在の到達点として,光振動電場で僅か1.6サイクルの3.8フェムト(10-15)秒パルスが可視域で,170アト(10-18)秒パルスが極端紫外域(100eV)で実現され,光電場の直接測定,電子運動の制御,電子間相互作用の解明などが可能になった.光強度に関しては,光による電子振動速度がほぼ光速になるのに必要な強度(1.4×1018W/cm2)を超え,陽子振動の相対論域速度に必要な強度(4.7×1024W/cm2)に近づきつつある.欧州プロジェクトとして2011年から建設が進められてきた先端高強度レーザー施設ELI(Extreme Light Infrastructure)が2018年に完成し,真空構造解明などへの取り組みも本格化している.1979年に田島-ドーソンが提案したレーザー航跡波電子加速がCPAレーザーにより1994年に実証され,近年はレーザー駆動電子加速器やレーザー駆動自由電子レーザー実現に向けて,加速電子のエネルギー,単色性,電荷量向上に向けた研究が進められている.レーザーによる高エネルギーイオンの生成と利用に関する研究も展開され,更に高エネルギー密度状態に関する研究も大きく進展している.J.L.HallとT.W.Haenschにより発明された光周波数コム位相制御法(2005年ノーベル物理学賞受賞)により,超短パルスレーザー光の光電場の位相をその包絡線に対し安定に保つことが可能になった.これにより,軟X線域での単一アト秒パルス生成などが可能になり,周波数と位相が完全に制御された超高強度光場による新領域がこれから拓かれようとしている.一方,CPAレーザー生成テラヘルツ域高強度短パルス光により,破壊を伴わない固体の非線形光学現象の観測が可能になり,物質科学にも新たな展開が生まれている.超短パルスレーザーは,屈折矯正手術といった身近な応用に用いられると共に,固体の微細加工など産業分野でも利用が広がっている.また,レーザー生成電子線によるフェムト秒分解電子線回折が実現され,新しい分析装置の開発も期待される.超高速・高強度光科学の今後の展開には,レーザーの高度化が不可欠である.高出力半導体レーザー励起に適した新レーザー材料の探索,多ビームコヒーレント結合,1サイクル超高強度レーザー生成など多様な可能性が追求されている.(著者抄録)
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分類 (2件):
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粒子光学一般  ,  電磁場中の粒子の運動及び放射 
タイトルに関連する用語 (4件):
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