抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,徳島県上勝町に住む高齢女性の日常生活におけるモビリティの実態について,バス交通からの遠隔性の程度に着目して検討した。1990年代以降は加齢による自分自身を含む世帯内モビリティの縮小により,交通サービスや他者のサポートの役割は高まった。これらは遠隔性の影響を受けやすく,モビリティ利用には地域的な差異が生じていた。この下で遠隔性の高い地域ほど,遠隔性の高い地域では交通サービスそのものの不足が顕著であり,モビリティの質を高めるためにより多くのモビリティを組み合わせて生活を営む必要があった。遠隔性の低い地域については,交通サービスやインフォーマルなサポートを相対的に受けやすい環境にあり,それゆえ利用するモビリティの数は少なくて済むものの,交通サービスを補完するインフォーマルなサポートの不安定さといった問題は残されていた。これらのため,上勝町全体として,高齢者モビリティの安定性や質,外出機会を高めうる交通サービスの構築が求められていると考えられる。(著者抄録)