抄録/ポイント:
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神経炎症は脳における種々の病理学的過程に対する広く受け入れられている基礎条件である。最近の研究において,ドコサヘキサエン酸(DHA,22:6n-3)から誘導される内因性代謝産物,シナプトタミドは,オーファン接着G蛋白質共役受容体110(GPR110,ADGRF1)に対する特異的リガンドとして同定された。シンaptamはマウスにおけるリポ多糖類(LPS)誘導神経炎症を抑制することが示されているが,この過程におけるGPR110の関与は確立されていない。本研究では,全身性炎症性条件下でのシナプトタミドの抗神経炎症効果の仲介におけるGPR110の免疫調節的役割を調べた。in vitro研究のために,成体初代マウスミクログリア,不死化マウスミクログリア細胞(BV2),一次好中球,および腹腔マクロファージにおけるLPS誘導炎症応答に及ぼすシナプス効果におけるGPR110の役割を,定量的PCR(qPCR)および酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)ならびに好中球移動およびROS産生アッセイを用いて評価した。in vivo効果を評価するために,野生型(WT)およびGPR110ノックアウト(KO)マウスにLPS腹腔内(i.p.)またはTNFを静脈内投与(静脈内投与)し,続いてシナプトタミド(i.p.)を投与し,炎症誘発性メディエーターの発現をqPCR,ELISAおよびウェスタンブロット分析により測定した。脳における活性化ミクログリアと細胞におけるNF-κB活性化を,それぞれIba-1とRelAに対する免疫染色後に顕微鏡的に調べた。LPSの腹腔内(i.p.)投与は,血液中のTNFおよびIL-1βを増加させ,脳における炎症誘発性サイトカイン発現を誘導した。続いて,GPR110リガンド・シナプトタミドの腹腔内投与は,野生型(WT)におけるLPS誘導性炎症反応を有意に減少させたが,GPR110ノックアウト(KO)マウスにおいては減少させなかった。培養ミクログリアにおいて,シナプトタミドはcAMPを増加させ,NF-κBサブユニットRelAの核への転移を阻害することによりLPS誘導性炎症誘発性サイトカイン発現を阻害した。これらの効果は,N末端標的抗体を用いて,GPR110に対するシナプトタミド結合を遮断することにより消失した。GPR110発現は好中球およびマクロファージにおいて高いことが見出され,シナプトタミドはまたcAMPにおけるGPR110依存性増加およびLPS誘導性炎症誘発性メディエーター発現の阻害を引き起こした。LPS処理後の循環において増加する炎症性サイトカイン,TNFの静脈内投与は,GPR110依存的にシナプトタミドのその後の注射(i.p.)により減衰した脳における炎症反応を誘導した。著者らの研究は,全身性炎症条件下でのシナプトタミドの抗神経炎症効果に全体的に寄与する,脳と末梢の両方におけるGPR110の免疫調節機能を示す。著者らは,脳および末梢における炎症を改善するための新規治療戦略としてのGPR110活性化を示唆する。Copyright 2020 The Author(s) All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.【JST・京大機械翻訳】