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J-GLOBAL ID：202002270264687938   整理番号：20A0519002

簡易採集法で得た土壌センチュウの観察 -中学校理科での授業実践から-

Observations of Soil Nematodes Obtained via a Simplified Collection Method -Experiential Learning in Lower Secondary School Science-

著者 (4件)： 上野宜久 (龍谷大学農学部資源生物科学科) ,  澤田一彦 (大津市教育委員会) ,  岩堀英晶 (龍谷大学農学部資源生物科学科) ,  多賀優 (龍谷大学農学部資源生物科学科)
資料名： 日本理科教育学会理科教育学研究  (理科教育学研究)
巻： 60  号： 2  ページ： 279-289(J-STAGE)  発行年： 2019年 
JST資料番号： L6042A  ISSN： 1345-2614  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 様々な動植物の観察から生物の多様性や生命を体感することは理科教育の重要課題の一つである。しかし,土壌動物は,植物に比べて準備に必要な教員の知識が十分ではなく,現場でほとんど採用されていない。土壌動物観察授業が可能になると,身近な動物の観察の幅が飛躍的に拡がり,生物多様性に対する理解や生命観の醸成に資すると期待できる。そこで,土壌センチュウの採集方法を教育現場に最適化して開発し,教員に多くの知識や準備を要求しない観察授業の実践を試みた。授業前後に実施したコンセプトマップから,土壌動物の活発な運動を観察したことによる生物・生命に対する生徒の意識変化と経験値の積み上げが確認された。線虫という概念ラベルは,予め提示したにも関わらず授業前には限られた生徒にしか使用されなかったのに対し,授業後にはほとんどの生徒に土壌と関連づけて使用されていた。使用されたつなぎ言葉の変化等から,身近な土壌における生物多様性の認識や生命観の変化などが読み取れた。これらの結果から,センチュウの観察授業がこれまでの授業内容では代替えし難い独自性を有し,生物多様性の理解や生命観の醸成にその機会を提供するものと考えられた。(著者抄録)

シソーラス用語： *線虫類 ,  *カリキュラム ,  *自然科学 ,  *行動 ,  *試料 ,  試料採取 ,  土壌動物 ,  地図 ,  生物多様性 ,  価値観
準シソーラス用語： 概念マップ ,  試料採集 ,  *授業実践 ,  生命観 ,  *線虫 ,  *中学校理科 ,  *土壌試料

著者キーワード (10件)： 線虫 ,  ベルマン法(ベールマン漏斗法) ,  コンセプトマップ(概念地図) ,  中学生 ,  多様性 ,  nematode ,  the Baermann funnel apparatus ,  concept map ,  lower secondary school students ,  diversity

分類 (2件)： 科学技術教育  (AA04000C) ,  土壌生物  (FB04050N)

引用文献 (16件)：

• 青木淳一(1983)『自然の診断役 土ダニ』日本放送出版協会.
• 青木淳一(2005)『だれでもできるやさしい土壌動物のしらべかた』合同出版.
• 藤本妙子(2002)「学校ビオトープの整備及び利用状況と教員意識に関する研究-神戸市内小学校へのアンケート調査より-」『環境情報科学論文集』第16号,143-148.
• 福岡敏行・笠井恵(1991)「学習ツールとしての概念地図作り(CONCEPT MAPPING)の有効性に関する一考察-6 学年児童の『水溶液の性質』概念の形成において-」『日本理科教育学会研究紀要』第32巻,第1号,67-75.
• 二井一禎(2004)「線虫の一般形態・分類体系」日本線虫学会編『線虫学実験法』1-8.

タイトルに関連する用語 (7件)： 簡易 ,  採集 ,  土壌 ,  センチュウ ,  観察 ,  中学校理科 ,  授業実践