抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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熊本市にある水前寺成趣園は1600年代後半に設立され,大名庭園として全国的にも有名な回遊式庭園である.シバ(Z.japonica)によって構成されているが,このZ.japonicaの起源地に関する記録は残されていない.熊本では古来,阿蘇市波野地域(旧波野村)のシバを移植していたと語り継がれており,水前寺成趣園系統と採集起源地として予測した草千里・波野の採集系統を比較することで起源地を推定した.外部形態の調査およびパラフィン切片法を用いた組織学的観察による供試材料の分類は困難であった.一方,RAPD法で検出したDNA断片により遺伝的類縁関係を評価した結果,水前寺成趣園3)と4)は非常に遺伝的に近縁であり,波野から採集したB147,B148とともに同一のクラスターを構成した.遺伝的類縁関係の評価により,水前寺成趣園に使用されているシバは,波野から移植された系統である可能性が示唆された.(著者抄録)