抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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実対称定値一般固有値問題に対して,固有値が指定された区間にある固有対すべての近似を得るためのフィルタとして,その区間に対応する不変部分空間への射影を近似する線形作用素を構成して用いる.本研究で扱うフィルタは少数2~4個の複素シフトを持つレゾルベントの線形結合(の実部)の多項式である.その構成方法は,まず単一のレゾルベントの多項式を元のフィルタとして,その伝達関数を表す有理関数に,うまく選んだ低次の有理関数を合成して,改善された伝達特性を持つ新しい有理関数を得て,その新しい有理関数を伝達関数として持つ線形作用素が複素数をシフトとする少数のレゾルベントの線形結合(の実部)の多項式により表せることを用いる.合成用の有理関数の構成法は,アナログ電気回路の4種類の典型フィルタであるバターワース型,チェビシェフ型,逆チェビシェフ型,楕円型のものを模倣する.これまでの研究で我々はすでに,最初の3種類に対応するものについて合成用の有理関数とフィルタの構成法を具体的に示し,さらにそれらのフィルタを用いた実験により実対称定値一般固有値問題の近似固有対がうまく求められることを示したが,最後の楕円型に対応するものについてはまだ扱っていなかった.そこで今回の論文で我々は,追加として楕円型を模倣した合成用の有理関数とフィルタの構成法を示し,さらにそのフィルタを用いた実験により実対称定値一般固有値問題の近似固有対がうまく求められることを示す.(著者抄録)