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J-GLOBAL ID：202002273934297865   整理番号：20A0661503

イタヤカエデの樹液溢出と気温との関係

Relationships between sap exudation and air temperature on Acer pictum Thumb. subsp. mono.

著者 (7件)： 米田亜沙美 (鳥取大) ,  岩永史子 (鳥取大 農) ,  芳賀弘和 (鳥取大 農) ,  CHIU Chen-Wei (九大 農 演習林 福岡演習林) ,  沖田総一郎 (鳥取大 乾燥地研究セ) ,  山中典和 (鳥取大 乾燥地研究セ) ,  山本福壽 (鳥取大 乾燥地研究セ)
資料名： 樹木医学研究  (Tree and Forest Health)
巻： 24  号： 1  ページ： 3-10  発行年： 2020年01月31日 
JST資料番号： L4308A  ISSN： 1344-0268  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 落葉広葉樹では,早春に糖を多く含む木部樹液が上昇する現象がみられる.著者らは中国山地に自生するイタヤカエデを対象に,樹液溢出量と気温との関係性に重点を置いて調査を行った.2016年と2017年に2月上旬から溢出する樹液を採取して重量を測るとともに,積雪,気温,樹液の糖度と糖組成を調査した.樹液の溢出は日最低気温が-10.4~-2.6°Cで,日最高気温が2.9~16.8°Cまで上昇するときに発生する傾向がみられた.樹液溢出量は胸高直径が大きい個体ほど多い傾向がみられた.2月の中旬から3月中旬にかけて多くの樹液溢出が認められた.3月下旬の樹液溢出量の低下とともに,樹液の糖度も徐々に低下し,総可溶性糖濃度も徐々に減少した.スクロース濃度は3月下旬に減少したが,逆にグルコース濃度とフルクトース濃度は急激に増加した.調査対象年中では樹液溢出の発生しやすい気温条件や樹液の糖組成に明らかな差異は認められず,イタヤカエデの樹液溢出は気温変化に同調することが示唆された.(著者抄録)

シソーラス用語： カエデ属 ,  *分泌物 ,  *気温 ,  山岳地 ,  中国地方 ,  糖度 ,  *糖組成 ,  炭水化物 ,  凍結防止 ,  糖質代謝 ,  糖輸送 ,  自然環境 ,  生息環境 ,  ヘキソース ,  アルドース ,  二糖類 ,  ピラノシド ,  フラノシド ,  グルコシド ,  フルクトオリゴ糖 ,  ケトース
準シソーラス用語： *イタヤカエデ ,  可溶性糖 ,  *樹液 ,  中国山地

分類 (3件)： 植物の生化学  (EH01050J) ,  植物生理学一般  (EH02010Y) ,  植物に対する影響  (EE04030Z)

物質索引 (3件)： グルコース ,  スクロース ,  フルクトース

引用文献 (27件)：

• Ameglio T, Decourteix M, Alves G, Valentin V, Sakr S, Julien JL, Petel G, Guilliot A, Lacointe A (2004) Temperature effects on xylem sap osmolarity in walnut trees : evidence for a vitalistic model of winter embolism repair. Tree Physiology 24 : 785-793
• Blum BM (1971) Some correlations between sugar maple tree characteristics and sap and sugar yields. USDA Forest Service Research Note, NE-143 : 1-4
• Graf I, Ceseri M, Strockie JM (2015) Multiscale model of a freeze-thaw process for tree sap exudation. Journal of The Royal Society Interface 12 (111) : 20150665
• Fujikawa S, Miura K (1986) Plasma membrane ultrastructural changes caused by mechanical stress in the formation of extracellular ice as a primary cause of slow freezing injury in fruit-bodies of basidiomycetes (Lyophyllum ulmarium (Fr.) Kühner). Cryobiology 23 : 371-382
• 福山伍郎・半澤道郎 (1940) 槭の樹液に就いて(第一報). 北海道帝国大学農学部演習林研究報告 11 : 105-147

タイトルに関連する用語 (4件)： イタヤカエデ ,  樹液 ,  溢出 ,  気温