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J-GLOBAL ID:202002275274993039   整理番号:20A2752340

芦生冷温帯天然林における集水域単位のシカ防護柵の生態系機能保全効果と実用性の検証 -芦生生物相保全プロジェクト-

Verification of watershed-scale deer fence for conservation of ecosystem functions and its practicality for efficient maintenance in a cool-temperate natural forest in Ashiu, central Japan -Ashiu Biological Conservation (ABC) Project-
著者 (11件):
資料名:
巻: 29  ページ: 1-13(J-STAGE)  発行年: 2020年 
JST資料番号: U1967A  ISSN: 2189-7727  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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西日本でも有数の生物多様性を誇る京都大学芦生研究林内のブナ・ミズナラ天然林では,2000年代に入りシカによる過剰採食が原因で急速に下層植生が衰退した.2006年に防鹿柵で囲んだ集水域,2017年に囲んだ集水域,防鹿柵を設置していない対照集水域の3集水域を対象に,植生・渓流水質・細粒土砂の調査を行い,集水域単位の防鹿柵設置の効果と実用性を検証した.スポット的な植物保全用の防鹿柵に比べ,集水域単位の大面積防鹿柵の設置は,植物保全だけでなく植物-土壌-渓流水一連の生態系全体を保全する上で非常に有効であることが示された.また,2017年柵設置集水域では,2006年柵設置集水域に比べて設置後の植生回復が遅く,生態系機能への影響が長期間継続する可能性が考えられた.2017年柵集水域で回復が遅かった理由として,採食圧の継続によりシードバンクが劣化していたことの他に,シカの侵入を一時的に許してしまったことが挙げられる.柵の経年劣化や,クマの侵入・台風による倒木等で柵が破損することでシカが侵入することを防ぐため,ネットの交換,定期的な柵の見回りや補修を複数の人員が交代して行う体制を整備することができ,集水域スケールの防鹿柵の長期的な維持管理方法を見出すことができた.(著者抄録)
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分類 (2件):
分類
JSTが定めた文献の分類名称とコードです
自然保護  ,  植物生態学 
引用文献 (21件):
  • 初 磊・石川芳治・白木克繁・若原妙子・内山佳美 2010.丹沢堂平地区のシカによる林床植生衰退地における林床合計被覆率と土壌侵食量の関係.日本森林学会誌 92:261-268.
  • 藤木大介・高柳 敦 2008.京都大学芦生研究林においてニホンジカ(Cervus nippon)が森林生態系に及ぼしている影響の研究 - その成果と課題について.森林研究 77:95-108.
  • 福田淳子・高柳 敦 2008.京都府の多雪地におけるニホンジカCervus nippon TemminckによるハイイヌガヤCephalotaxus harringtonia var. nanaの採食にみられる積雪の影響.森林研究 77:5-11.
  • 福島慶太郎 2012.森林生態系の物質循環および渓流水質からみた攪乱影響評価の可能性.森林立地 54:51-62.
  • 福島慶太郎・井上みずき・境 優・阪口翔太・岩井有加・橋本智之・本田美里・坂田ゆず・藤木大介・山崎理正・中島 皇・高柳 敦 2013.芦生冷温帯天然林における大規模シカ防除柵設置5年後の生態系機能の回復過程とそのメカニズムに関する研究.プロ・ナトゥーラ・ファンド助成第21期助成成果報告書 27-52.
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