抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2016年4月に発生した益城地震の特徴の一つは,無数の余震が本震に従うので,多くの人々が家から避難することであった。本研究の目的は,地震によってひどく影響を受けた益城中心部における,地震の前後で撮影された空中写真を比較することによって,そして,屋外駐車の分布の変化を解析することによって,屋外避難の量を定量的に示すことである。解析対象は,地震後に5台以上の車両が存在していることを確認した130の空地である。比較のために4つの写真を用いた:2015年12月に地震の前に撮影したもの;前震後,2016年4月15日のもの;本震の後の4月16日のもの;そして最後は,4月30日のもの,それは本震の2週間後であった。さらに,現地調査を行い,それらの空地の状況を調査し,2018年2月に駐車している車両の数を記録した。災害の後の全体の傾向として,公共所有と民間所有の空地に駐車された車両の数を調査したところ,車両の数は前者で増加したが,後者では小さな変化だけが見られた。公共空間における車両数の増加は,避難地域だけでなく公園,公共施設における駐車場,および未利用地でも確認された。さらに,数量化理論Iを用いて,空地の属性と駐車車両の数の間の相関について解析した。その結果,道路接続や舗装条件などのいくつかの条件が避難した人々の駐車場の選択に影響し,駐車車両の数は,容易に見つけられ,容易に道路アクセスができる公的に所有された土地で増加することがわかった。結果として,3点が明らかになった:1)地震の前に公的所有の空地に駐車していた車両の数と比較するとき,前震の後,そして,本震の後,車両数は連続的に増加した。しかし,増加の程度は,空地の利用法によって異なった。2)民間所有地の場合,3つの上記の時点を比較するとき,駐車車両の数の増加の程度は小さかった。また,この空地の違いは,本震後の駐車車両の数の増加の少なさでも見られた。3)空地の属性と駐車車両の数の間の関係に関しては,属性の違いによる影響は公共所有の空地でのみ見られ,空地からの容易な道路アクセスの存在は避難駐車場所の選択における主な要因であった。(翻訳著者抄録)