抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
重森三玲は,現代の日本庭園の歴史において,大きな足跡を残した人物である。本論では,2019年6月に文部科学省によって国の名勝にすべく提案された,大阪府豊中市に整備された重森による作庭の価値について論じた。第一に,この庭に関する豊富な価値ある資料が存在している。重森三玲の図面と庭の現状を比較し,雑誌「林泉」やその他の資料などを参考に分析した。また,現在の所有者と庭師を対象に聞き取り調査を行った。その結果,庭は大阪と神戸周辺の郊外住宅地において整備され,庭と建築物及び所有者と庭師の密接な関係が明らかになった。また,庭が所有者の希望と場所的制約によって影響を受けたことが分かった。それは初期の作庭として重森三玲のユニークな人間性を明らかにするものであった。多種多様な石と植物は,重森三玲のアイディアを表現するため用いられた。これらのことにより,1940年代の重森三玲の初期の作品において,造園プロセスとその特性が確立されたことを理解することができた。(翻訳著者抄録)