抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,中国では高齢化が深刻な社会問題となっている。中国では2030年までに高齢化率は25.0%に達し,山西省では27.3%に達すると推定される。さらに,中国において「独居老人」と呼ばれる,子供と生活せず一人で生活している高齢者の数は,急速に増加している。本論文の目的は,現地調査に基づいて,中国,西安および山西省の高齢者に対する居住環境,特に居住者の空間形成を明らかにし,評価することである。本論文は西安の碑林地区(6社区)に集中した。まず第一に,著者らは,社区の空間形成,社区の近くの公共施設の分布,および住民委員会による公共サービスを明らかにする。第2に,面接調査(合計201人)に基づいて一般的な高齢者のプロファイルを作成した。第3に,住宅の空間形成に集中し,その独立性にかかわらず,すべての高齢者に対する居住施設の問題を明らかにした。本論が明らかにした主なポイントは以下の通りである。1.高齢者のためのコミュニティ施設は,ほとんど住民委員会のオフィスに設置されているが,十分ではない。高齢化率の高い社区(5)の高齢者は,施設が良く装備されており,最も長い時間の屋外を過ごし,最低の孤独感を感じ,日常生活を非常に満足している。高齢者のための施設を欠く地区は統合される必要がある。2.各コミュニティの人口密度は全く異なり,施設の分布はバランスがとれていない。レクリエーション施設は一般的に非常に少ない。地域周辺の施設の種類と場所に関する情報に基づいて地域を統合する必要がある。3.回答者の60%は「独居老人」であり,高齢者の72.2%がどのレクリエーション活動にも参加していない。高齢者は屋外滞在時間が少なく,その活動は単調である。高齢者の78.1%が慢性疾患を患い,医療健康が彼らの最も関心があることである。医療施設との連携システムを確立することが非常に重要である。4.住宅の計画に関しては,すべての住宅には何らかの問題がある。空間面積が小さいので,ケアスペースがなくシャワーなどもないということが基本的な問題である。水の電気加熱と高い浴槽などの高齢化による問題も指摘できる。建物等に設置されたエレベータはない。住宅計画は基本的に改修を必要とし,高齢者の使用を考慮すべきである。5.高齢者の自己独立性の程度とともに,生活空間の不便さまたは不適性も増加している。独立性の高くない高齢者に対しては,空間を使用するには障害がある。独立性Iの高齢者に対する不便さは,独立性IIとIIIの高齢者にとっては明らかに障害となっている。独立性IIIの高齢者には,ケアシステムを設定し,できるだけ早く施設を準備する必要がある。結局,歴史的都市西安の都市中心部における高齢者の生活環境については,まだ多くの問題があることは明らかである。西安の郊外と農村地域に関しては,他の論文を準備する。(翻訳著者抄録)