抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,高齢化社会の進展に伴ってデジタル補聴器が普及しているが,その電池寿命は数日程度に留まっている.この問題に対して著者らは,人の可聴域が20Hz~20kHzと特に低速な点に着目し,単一の全加算器のみを用いて逐次的に演算を行う直列演算器の有効性を確認している.ここで,さらに人の聴力を勘案すると,演算結果における下位ビットの変化を認識することは困難と考えられる.したがって,下位ビットに係る演算を省略することで更なる低消費電力化を期待できるが,既存の乗算器は下位ビットから積が確定する演算形態であるため,その省略は構造的に困難である.そこで本研究では,演算ビットによって静的に決まる最大積から部分積を逐次的に減算することにより,上位ビットから積を確定可能な演算形態を提案する.特に,フィルタ回路等へ応用する際に必要となる負数演算については,定数加算とビット反転処理に帰着し,これを反映した最大積に対して部分積の反転制御を施すことで簡便に実現する.そして,これらに基づいた直列乗算器を設計し,シミュレーションによりその動作を確認するとともに,下位ビットの省略に伴う誤差評価を通じてその有効性を確認する.(著者抄録)