抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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花崗岩石材の水分移動過程に及ぼす表面仕上げの影響を調べるために,三種類の表面処理を施した直方体試料を用いて室内実験を行った。“サンダー”は切削した状態のもの,“本磨き”は研磨したもの,“ビシャン”は突起の付いたハンマーで叩いて凹凸をつけたものである。試料を水中に浸漬する実験Iでは,岩石中に取り込まれた水の重量が開始後に急増し,その後変化の割合は小さくなった。その値はビシャンで最も大きく,次いでサンダー,本磨きの順となり,本磨きとサンダーの差は小さかった。試料を水中から出して水分を蒸発させる実験IIでは,岩石内の水の重量は時間とともに減少し,その減少の割合は時間とともに小さくなった。実験開始直後を除き,残留水の重さはビシャンで最も小さく,サンダーと本磨きではほぼ同じであった。試料の下部を水に浸けて上部から水分を蒸発させる実験IIIでは,水の総重量が時間とともに減少し,その速度はビシャンで最も大きく,他二試料との差は時間とともに大きくなった。蒸発した水の量はビシャンで最も多く,次いでサンダー,最も少ないのが本磨きであった。これらの実験結果から,表面の仕上げによって水の挙動が大きく異なることがわかった。花崗岩石材である庵治石の水分移動には,試料下部からの水の吸い上げと上部での蒸発が密接に関わっており,両者は環境等の諸条件によってどちらも律速段階になる可能性がある。(著者抄録)