抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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持続可能な消費における態度と行動の不一致は,従来,”attitude-behavior gap”として理解されてきたが,それだけでは十分に説明できない場合がある。社会学では,個人と構造の相互作用に着目した「社会的実践理論」の枠組みを用いてこれを捉えようとしている。Shove et al.(2012)の社会的実践理論では,「実践」を物質,能力,意味の3つの要素が結びついたものとして理解する。本稿では「持続可能な食消費」に着目し,社会的実践理論を踏まえて「持続可能な消費を実現したいが実現できていない」という消費者が置かれている状況を,個人と構造の相互作用によって「サステナビリティ迷子」が生み出されている状況と捉えられるのではないかと考え,アンケート調査をもとに検討した。さらに,持続可能な消費の実現に向けた政策・介入への示唆を得るため,調査結果をもとに社会的実践理論の分析枠組みを用いてその背景や要因の分析を行った。その結果,「持続可能性に配慮した青果物を購入する」という〈実践〉においては,1)情報提供のあり方,2)青果物における持続可能性の認識,3)消費者のリテラシー不足など複数要素が相互に結びついた多様な「サステナビリティ迷子」が生み出されていることがわかった。(著者抄録)