抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1.本論文の目的:米子市公会堂(1958)の設計プロセスを再構築し,その戦略的設計思考を表示すべきものとしての,建築家の形態操作を明らかにすることである。2.研究材料:全部で230件の京都工科大学が所有する,オリジナル設計スケッチと描画であった。3.方法:設計作業を解読するために用いた形態学的ツールに焦点を当てた。変換可能性のアイデア(設計における設計者思考の変換可能性)を提案し,同時形態変化または逐次形態変化として現れるかもしれないことを説明した。4.設計スケッチと描画の年代順:表1と表2において,日付と形態一致によって確定した。「研究」と呼ばれる部分プロセスは,スケッチと表現された形態同一性に従って細分された。5.変換性の形態分析:を以下に示した。[研究 1]敷地内の建物配置:では,図4で見るように動的な変化が見られる。市民領域は主に受付窓口と小ホールとして用い,外部空間に対する様々な形態を試した。[研究 2]断面構成と主ホールの構造:に関して,視線と投影線に関連した変換を示し,種々の構造変調が図5に見られた。[研究 3]主ホールと市民領域の統合の試み:小ホールの除去を示し,それによって床面積は減少する。建築形態は,図7で見られるように,単純な長方形に統合された。[研究 4]主ホールから市民領域を分離する試み:主ホールから市民領域の分離過程を示す。市民領域は,最初はホールに沿って横にあったが,次に,それは図8で見られるように,後方に移動した。その結果,ホールの内部容積は拡大し,設計の主要な操作になった。主ホールの構造は扇形に開放され,最終構成が実現した。[研究 5]決定全体設計:幾何学的適用と詳細試案が図9で見られるように,全体設計として完成。図10に見られるように,1956年12月の米子市で開催されたプレゼンテーションのために,模型を作成した。米子市ニュースレターの新年号において,図11の鳥瞰図を公表した。[研究 6]決定詳細設計:図12で見られるように,非常に限定的な変更であり,屋根と側壁へのシェル構造の利用,外部避難階段の方向変更,およびロビーの柱断面の仕上などである。1957年4月に工事が始まった後でさえ,追加図面が作成されたにもかかわらず,1957年2月末日に作業図が準備された。建築家によって行われた全ての公式操作は,表3に示され,関連する知見は以下の通りである。1)最初の2つの研究において,建築家は広範囲の変換性を調査したが,それは後の研究においてますます詳細になった。2)初期[研究 1と2]の予備的スケッチが,[研究 4]の劇的な形態変化を予測させた。3)外部空間の有効利用,主ホールと市民領域の接続/分離,および適切な視線/避難経路そして床面積の一定の低減を確実にするために,仕様の採択における設計的思考が観察された。(翻訳著者抄録)