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J-GLOBAL ID:202002291520488047   整理番号:20A0113492

原発事故と畜産農家の避難-なぜ「避難」が畜産農家の廃業を招くのか-

How does Evacuation Cause the End of Livestock Farming?: The Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant Accident and the Evacuation of Livestock Farmers
著者 (1件):
資料名:
号: 25  ページ: 124-141  発行年: 2019年12月05日 
JST資料番号: F2144A  ISSN: 2434-0618  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
抄録/ポイント:
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福島第一原発事故の後,原発から20km圏内の警戒区域では,乳牛,肉牛を含めてすべての牛を安楽死させることが政府から通達された。他方で葛尾村や飯館村のような20km圏外で全損避難を被った畜産農家の牛は,放射線の検査をパスさえすれば,出荷や移動が可能であった。しかし結果的に,両村の20km圏外の農家の約9割(飯館村97%,葛尾村88%〔2018年11月時点〕)が,経営を継続することを選ばなかった。本稿は家畜の移動が可能であった大多数の畜産農家の人びとが,なぜ避難を挟んで廃業を選ぶことになったのかを問い,移動や避難が何を要件とするものだったのかを明らかにした。畜産農家は事故前まで,牛の生存環境である《i.畜舎》《ii.牧草地》《iii.水源》《iv.糞尿の行き場》と,農家が自身の生活を営むうえで必要な環境である《v.家》《vi.農地》《vii.家畜市場》《viii.畜産仲間》《ix.集落の家々》《x.学校・病院・店舗》に隣接して暮らしてきた。しかし突如牛を移動させて経営を続けるか,廃業するかの選択を強いられた人びとは,移動するのであれば事実上,なじみの地域から「孤立」し,上記のような牛の生存環境を新たに「開拓」する必要があったことが明らかとなった。(著者抄録)
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分類 (1件):
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環境の汚染及び防止 
引用文献 (26件):
  • 藤川賢,2012,「福島原発事故における被害構造とその特徴」『環境社会学研究』18:45-59.
  • 福島県農林水産部,2013,『農林水産分野における東日本大震災の記録』(2019年10月5日取得,https://www.pref.fukushima.lg.jp/download/1/99_ikkatsu.pdf).
  • 原口弥生,2018,「『低認知被災地』における問題構築の困難--茨城県を事例に」藤川賢・除本理史編『放射能汚染はなぜくりかえされるのか--地域の経験をつなぐ』東信堂,139-154.
  • 長谷川健一,2012,『原発に「ふるさと」を奪われて--福島県飯舘村・酪農家の叫び』宝島社.
  • 平野康幸,2012,「あの時,飯舘村で何が起こっていたのか」『畜産の研究』66(1):21-28.
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