抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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耐力壁であるCLTパネルは,小幅パネルと大型パネルのいずれの場合も,建物設備のために小開口を設ける可能性がある。本研究では,曲げ試験における降伏強さと剛性に及ぼす小開口の存在と位置の影響を確認するために,小開口を有するCLTパネルの剪断試験を行った。本報告では,試験結果とその考察について報告した。曲げ試験における試験片が全長に亘って均一断面であるとみなしたときの断面二次モーメントの値について,試験結果と計算値を比較した。計算により計算した断面二次モーメントは,試験結果によって得られたものと実質的に一致したが,試験体の上側または下側のいずれかを切欠いた形状を有する試験体のノッチ部分の断面二次モーメントI’は,過大評価された。ノッチがあるとき,I’を0.6倍に設定した場合にそれらは一致した。しかし,将来,調整係数を研究する必要がある。上部と底部にノッチがある場合,簡単な断面欠陥としての計算は危険な側面をもたらす可能性がある。剪断弾性係数に関しては,試験体の上部が切り欠かれた形状は,他の形状よりわずかに高く,中央開口の場合,わずかに低い傾向があるが,変動の範囲内にあると考えられる。曲げ強さを曲げ試験結果から計算した。既存または無開口および開口位置に依存して曲げ強さに有意差は無かったが,上部に開口を有する試験体の曲げ強さは,1.43倍の値であった。さらに,開口位置が上下対称となる2つの試験体を比較すると,開口位置が上側にある試験体の値はやや低かった。計算結果に及ぼす試験体強度の変動の影響を確認するために,曲げ強さは,すべての試験体が同じ歪で損傷したという前提で計算した。それは,試験結果から計算した曲げ強さとほぼ一致した。開口が梁の深さの中心にある試験体では,破壊がいくらか低い歪のときに生じることを確認した。剪断試験結果から計算した剪断強さは,既存または無開口および開口の位置に因って大きな差異を示さなかった。今回の開口の大きさであれば,開口の位置に依存しない単純計算によって,剪断強さを得られることが分かった。(翻訳著者抄録)