抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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LED照明技術は急速に進歩してきており,スポーツ施設で使用されるようになっている。LED照明は,発光部が小さく,指向性が高い等の特性があり,それがグレアを引き起こす可能性がある。スポーツ照明に関するJIS推奨事項では,体育館におけるグレアに関する推奨値を提供していない。本論文の第1部では,照度と輝度分布の測定を,11の体育館(6か所がLED照明を有し,5か所がHID照明を有する)で行った。本論文(第2部)では,第1部で記述された11か所の体育館で被験者実験を行った。グレアに影響する変数を,被験者実験に基づいて抽出した。彼/彼女がバドミントン競技をすると想定して,被験者が照明の正面でバドミントンシャトルコックを注視した。被験者の眼,シャトルコックおよび照明器具が直線となるように,被験者とシャトルコックの位置を配置した。被験者は,視覚対象の視認性,照明器具からのグレア,バドミントンを競技することに対する視環境の許容度などを評価した。同時に,被験者の視野における輝度分布の測定を行った。被験者実験の結果から,照明器具からのグレア(被験者の目が照明器具に焦点を合わせた)が,視環境の許容度に最も影響することが確認された。結果は,被験者の視線の仰角が増加し,また平均水平輝度が増加したため,グレア評価が増加したことを示した。輝度の1000cd/m
2より高い領域を,この研究における発光部として定義し,またその発光部分の平均輝度は,被験者の視線の仰角が増加するにつれて増加した。多重回帰分析を行い,グレアの評価を決定する変数を抽出した。グレア評価を目的変数とした。一方,説明変数は,発光部の平均輝度,発光部の立体角,背景輝度,UGRおよびUGR’である。多重回帰分析の結果は,10,000cd/m
2より高い発光部の平均輝度,10,000cd/m
2より高い領域の立体角,そして1,000cd/m
2より低い背景の平均輝度が,グレア評価を予測する有効な変数であることを示した。10,000cd/m
2より高い発光部の平均輝度は,グレアを低下させるために低減させるべきであることが示唆された。(翻訳著者抄録)