抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿は,大規模加工工場の林立著しい青森県,秋田県,岩手県の北東北地域の素材流通過程を担う事業体を対象として,その取扱量拡大の内実に接近する。対象とした事業体は,青森県森林組合連合会,秋田県森林組合連合会,岩手県森林組合連合会の 3県の県森連,ならびにノースジャパン素材流通協同組合 (以下,NJ 素流協) になる。まず,これら事業体躍進の契機となった合板工場の国産材へのシフトの様子を概観した。外材依存から国産材にシフトする上での合板工場の課題は大きく 3つであった。一つ目は,30cmの剥き芯の問題,二つ目は,国産材による製品性能の問題,三つ目は,国産材の大ロット原木入荷問題であった。一つ目と二つ目の課題は,合板工場内部の問題であったが,三つ目の課題は,入荷先となる外部との問題であったため,新たな関係構築が求められた。その入荷先の窓口を担ったのが,素材流通過程を担った事業体であった。そこで,本稿では,事業体としての設立が最も新しいNJ素流協が如何に事業量を拡大したかを明らかにした上で,3県の県森連の特徴にふれる。結果,本稿でみた 4つの素材流通過程を担う事業体の経営は,異なる資源状況,木材加工工場の立地などを背景に独自の戦略を有するとともに,共通して組合員の育成にも力をいれていることが明らかになった。(著者抄録)