抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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印旛沼では国営印旛沼二期農業水利事業が進められている.この事業の中で,2つの機場を廃止統合して新設された白山甚兵衛機場からは,平成27年4月より受益面積982.9haの水田へ用水が供給されている.本機場では,印旛沼の水質改善に貢献するべく,循環灌漑が導入された.水田の脱窒作用などによって,循環灌漑による印旛沼への栄養塩類の流出負荷削減効果が期待されており,その効果をより定量的に評価する必要があるが,これまで水質データの測定頻度は月1回程度だった.そこで,より高頻度で水質を実測し,印旛沼への負荷量を正確に定量化することを試みた.その結果,循環灌漑によって低地排水路の水を用水に再利用することにより,印旛沼へ排水される栄養塩類負荷量が削減されている状況が,高頻度の水質データを用いて示された.循環灌漑によって削減された印旛沼への1灌漑期の総差し引き排出負荷量はTNで2,065kg,TPで244kgと算出された.低地排水路での栄養塩類濃度が印旛沼での濃度を上回ることが多く,低地排水路の水は可能な限り用水にまわすことが望ましいと考えられた.また,印旛沼内の水の平面的な循環を促進することが,印旛沼の水質保全に繋がると考えられた.(著者抄録)