抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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世界の人口が増加し水需要が増える中で,地下水資源の持続可能性が脅かされている.地下水資源量を適切に把握・モニタリングし,持続可能な水利用を行なってゆくことが求められる.そこで本研究では,小槻ら(2012)によって開発された全球陸域水循環モデルを改良し,これまで考慮することができていなかった地下水をモデル化して組み込むことを目的とする.しかし地下水の観測データは不足しているため,地下水涵養量をどのようにモデル化するかが重要である.そこで本研究ではGRACEによる陸域総貯水量(TWS)の衛星観測データを基に地下水涵養量を推定する.改良するモデルは陸面過程モデルSiBUCであり,土壌からの排水として出力される基底流出量のうち何割かが地下水涵養量となると考え,その割合(α)を推定する.SiBUCにより土壌水分と積雪水量の和としてTWSを求め,GRACEとの比較を行なう.その結果高い相関が全球規模で得られた.しかしモデルでは地下水をTWSの計算に考慮していないため,αが適切であれば相関係数は更に向上するはずである.そこでαを変化させて地下水涵養量を計算し,相関係数が最も高い値をとる際のαを最適な値とした.その結果αの推定は少数のグリッドでしか行なえなかった.モデル精度は高いため,地下水以外の観測データも活用したモデル改良を今後行なってゆく.(著者抄録)