抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年日本の稲作は,水田汎用化,生産コストの縮減,水田インフラの長寿命化,暗渠の多目的利用などの要請がある。こうした中,新潟県阿賀野市の低平地において,地下灌漑による水稲栽培をおこなった。この地域は,土質,地下水位,標高,地形などから排水性が低く余剰水の排除に労を伴ってきた。本研究で取り扱う複合暗渠は,陶管本暗渠と補助暗渠とを直交させ疎水材を介して連携させたものである。暗渠下流端の立上り管の操作で,暗渠の開閉と地下水位を調整できる。また落水時は,水口からの大気侵入のため迅速に暗渠管内を迅速に移動できる。本研究は,この複合暗渠を利用した地下灌漑が水稲生育に及ぼす影響を比較検討するため,試験区を地下灌漑,対照区を慣行の地表灌漑として圃場実験した。これら試験区と対照区において,土壌の物理性,水稲収量などを測定した。その結果,試験区では,1)出穂期前後の高温期に地下灌漑により作土層の温度を低く抑え,2)余剰水の迅速排除のため刈り取り直前まで湛水でき,3)水稲収量が対照区よりも10%程度高かったことを明らかにした。以上から,地下灌漑は,高温条件下でも水稲栽培に効果的であることが示唆された。(著者抄録)