抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
水路・人工湿地による酸性坑廃水処理技術の開発のため,東北地方のA鉱山の坑廃水(平均水質pH4.1,Cu5.4mg/l,Pb1.3mg/l,Zn12.3mg/l,Cd0.15mg/l)を対象とし,石灰石または木炭を充填したカラム型装置による短期通水試験を行なった。石灰石を充填した人工湿地には,赤玉土と腐葉土を加え,抽水植物であるヨシを植栽したものも用意した。石灰石を充填した人工湿地では,滞留時間を15時間に設定しても,pHを6.7以上に上昇でき,銅を排水基準値にまで除去できた。滞留時間を24時間とした場合,pHを7以上にすることができ,鉛も排水基準値にまで除去できた。亜鉛とカドミウムは,滞留時間が24時間の場合でも排水基準を達成できなかったが,おもに土壌吸着によって30~50%が除去できた。また,木炭にも一定の中和・金属除去能力があることが確認できた。ヨシを植栽した人工湿地からは,硫酸還元菌が検出され,難溶性の金属硫化物の形成が示唆された。水路・人工湿地は,単独では酸性坑廃水の処理技術として限界があるが,中和・吸着能力が高いろ材を充填し,植物・微生物の機能を高めることができれば,従来の中和・沈殿プロセスの前処理として利用できる可能性がある。(著者抄録)