文献

J-GLOBAL ID：202102246332126144   整理番号：21A0142135

海産生物の生育に必要な水質 (全窒素・全リン濃度の下限値) の定量化:アサリおよび生物付着板を用いた現地調査

Minimum Nutrient Concentrations for Sustaining Marine Ecosystem Productivity: Measurement during in situ Growth Experiments of Bivalve and Sessile Organisms

著者 (4件)： 藤原建紀 (京都大学名誉教授) ,  藤原建紀 (いであ株式会社大阪支社環境技術部) ,  樋口和宏 (兵庫県漁業協同組合連合会) ,  藤井智康 (奈良教育大学理科教育講座)
資料名： 水環境学会誌(Web)  (Journal of the Japan Society on Water Environment (Web))
巻： 43  号： 6  ページ： 175-182(J-STAGE)  発行年： 2020年 
JST資料番号： U0148A  ISSN： 1881-3690  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 内湾海域の生態系を維持するために最低限必要な, 全窒素TN・全リンTP濃度を現地実験によって調べた。実験では, TNの高い大阪湾北東部から低い播磨灘にかけて, 栄養塩濃度勾配に沿って7測点を設け, アサリおよび付着生物群集の栄養状態・成長速度と, TNとの関係を調べた。また, 実験海域の一次生産量分布を計算で求めた。調査海域の一次生産量は, TNに強く比例する海域と, 一次生産量の低い外海の特性を持った海域に明瞭に分かれ, その境界はTN=0.2 mg L^-1であった。アサリの軟体部湿重量はTNと強い正の相関があった。アサリの栄養状態は, TN < 0.3 mg L^-1の海域では低く, 気象擾乱等で減耗が起きやすい状態であった。付着板上の生物量は, 海域のTNと高い相関があった。海域の年平均TNとTPの間には強い相関関係があり, TN=0.2 mg L^-1はTP=0.029 mg L^-1に相当した。(著者抄録)

シソーラス用語： 水産食品 ,  *水質試験 ,  *窒素 ,  *リン ,  アサリ ,  閉鎖性水域 ,  大気擾乱 ,  *海洋生物 ,  *水生生物
準シソーラス用語： 海産物 ,  *全リン ,  *全窒素 ,  *付着生物

著者キーワード (10件)： 全窒素 ,  下限値 ,  生物生産性 ,  大阪湾 ,  播磨灘 ,  Total nitrogen ,  Minimum concentration ,  Ecosystem productivity ,  Osaka Bay ,  Harima Sea

分類 (2件)： 水質調査測定一般  (SB02060X) ,  水産生物学一般  (FH02010Z)

引用文献 (19件)：

• 1) 環境省水・大気環境局, 2019. 平成30年度公共用水域水質測定結果. URL. https://www.env.go.jp/water/suiiki/h30/h30-1.pdf (2020年5月時点) .
• 2) 環境庁 海域に係る窒素・りん等水質目標検討会, 1992. 海域に係る窒素・りん等水質目標検討調査結果報告書. 官公庁公害専門資料 28 (1) , 53-68.
• 3) 反田實, 樋口和宏, 2017. 栄養塩類の管理方策と豊かな漁業生産. 海洋と生物 39 (6) , 579-585.
• 4) 藤原建紀, 2015. 栄養塩類負荷量の増減が瀬戸内海の生物生産 (漁業) に及ぼす影響. 環境技術 44 (3) , 134-140.
• 5) 水産庁. 豊かな海を育む総合対策 (水産環境整備マスタープラン) . URL. https://www.jfa.maff.go.jp/j/gyoko_gyozyo/g_thema/sub4010.html (2020年5月現在) .

タイトルに関連する用語 (10件)： 生物 ,  生育 ,  水質 ,  全窒素 ,  全リン ,  下限値 ,  定量化 ,  アサリ ,  生物付着 ,  現地調査