抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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建築構造物の時刻歴解析において,減衰は一般的に古典的粘性減衰モデルによってモデル化され,その中でレイリー減衰は,その計算効率性と広範囲の周波数にわたって,ほぼ一定減衰比を割り当てられる能力により有利である。しかし,研究者は,レイリー減衰が弾塑性解析において非現実的に大きな減衰力を生み出し,次に,計算応答の過小評価につながることを認識した。高度に忠実な履歴モデルによる洗練された非線形解析が,自由に使用されるようになった現在,より多くの注意が減衰モデルに向けられるべきである。本論文では,弾塑性系の時刻歴応答が,減衰モデルの選択によってどのように影響を受けるかについての基礎的研究について述べた。表1に記載した質量あるいは剛性比例モデル,レイリー減衰モデル,Caugheyシリーズ,モード減衰比例モデル,およびこれらのモデルの改良型を含む13の減衰モデルについて比較した。いくつかのモデルは,減衰行列の逐次更新を必要とする。モデル4,7および13は,逐次固有値解析を必要とし,それらは,本来的に,計算コストは高価である。弾性後状態では,減衰行列は非古典的になるか,古典的に留まるか,あるいは,常に元の減衰比を保持するかである。図2は,式(4)で定義された有効モード減衰比を更新固有周波数に対してプロットし,5-DOF系の部分的降伏状態のモデルと比較した。Caugheyシリーズ(モデル9)とモード減衰比例モデル(モデル12と13)に対しては,すべてのモードにわたり減衰加算を取り入れた。レイリー減衰モデル(モデル5)は,大きな減衰比をもたらした,一方,改良型レイリー減衰モデル,それぞれ,CharneyおよびHallによって示唆されたモデル7および8は,元の目標値近くの減衰比を保持した。計算的に高価であるが,モデル13は,任意の状態の下で減衰比を保持し,従って,正確なモデルと見なされ得る。時刻歴応答を,強地震動を受けるバイリニア型動力学履歴(図3参照)を有する5-DOF系を通して比較した。式(10)から(12)で表した中心差分法と,そして,0.002sの時間区分を用いて時間積分を行った。結果としての層間変形角分布は,弾性解析(図5b参照)と弾塑性解析(図6参照)の両方で実質的に変化した。質量-または剛性比例モデルまたはそれらの変形(モデル1から4)は,モデル13とは大きな偏差をもたらした。レイリー減衰モデル(モデル5)は,モデル13よりも幾分小さい応答をもたらした。図7は,第3層応答に対して,モデル5からの減衰力が,系が降伏するとき,モデル13より如何に実質的に大きいかを示す。図9は,モデル5における減衰力が,正規化有効モード質量(式(6)で定義)は,最初のモードに対して元の0.85から最小0.2及び最大1.0まで変動したが,第1モード応答によって一貫して規定されることを示す。図11は,減衰エネルギー(式(13)を用いて計算)と全てのモードと時間にわたって平均した減衰比との関係である。ほとんどのモデルは,減衰エネルギーを過大評価する一方,モデル7と8はモデル13と非常に良く整合した。20-DOF系の時刻履歴解析を繰り返した(図12参照)。図13は,5-DOF系において,改良型レイリーモデル(モデル7と8)は,モデル13と非常に類似した結果を与えることを示す。図14は,モデル13の少なくとも20項のうち5項がモデル13に取り込まれ,モデル7または8と同様に正確な結果を与えることを示す。(翻訳著者抄録)