抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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本論文は,カルミニャーノが1716年において,原産地呼称制度で指定されていた理由を評価した。自然環境の側面からだけでなく,地域コミュニティ,都市文化,社会と製品の分布および評判からも検討した。それらを通して,カルミニャーノの領域史と製品価値の形成過程の両方を明らかにする。特に,カペツァーナのファットリアにおける土地蓄積の過程と拡大期間に及ぼす原産地呼称制度の影響を明らかにした。その結果,以下の点が明らかになった。18世紀以前に,カルミニャーノは既に都市基盤を持っていた。15世紀以降のメディチ家の介入。中世の時代から,マツァドリアによる生産構造は,地域と空間特性を特徴付けた。また,17世紀後半に,コシモ3世は,国内生産を奨励するために,海外で古いカルミニャーノワインを頻繁に配布した。これは,P.GennaiとF.Martelliによる研究で明らかにされた。18世紀後半以来,カルミニャーノの評判は大いに高まった。特に,地理科学会は,農業を奨励する主要な役割を果たした。カルミニャーノのワインに言及するTzzettiとLastriの特別の言及は,地域製品の再活性化と地域の形成が都市知識人によって支持されたことを示した。Lastriは,良いワイン生産サイトとしてカペツァーナのファットリアを評価した。カペツァーナのファットリアを所有するカンツッチ家は,15世紀以来,カルミニャーノの土地を取得し,1710年代と1720年代にそれを拡大して,生産基地としてその能力を増加させた。メディチ,トルナブオーニ,およびピッチ一族の結婚は,17世紀において,公式大公国の政治的地位を得たという事実の要因であった。カルミニャーノの土地集積は,カンツッチ一族の相続に起因し,1716年の呼称制度に直接は寄与しなかったが,ファットリアの拡大は,制度の制定とタイミングが一致していた。カルミニャーノ地域の土地を所有するが,大公国の政治的地位を得たカンツッチ家は,都市文化環境と接触し,ファットリア管理に集中して,土地を拡大した。中央建物では,中庭で家畜とAiaの飲用地としての機能が見られ,生産基地としてのファットリアの機能は,住宅よりも顕著であり,そして,敷地は18世紀の中期に向かって拡大した。それらの中で,水車と建築物の追加は,機能装置の明白な拡張とみなすことができた。ファットリア カペツァーナの拡大は,都市にいた土地所有者の判断によって誘発された。それに加え,Mezzadriaのような生産構造が生産システムを拡大するために急速に機能することも評価できる。カルミニャーノは1716年以前にも都市文化と接触できる独特な環境を持ち,1716年以降は,その地域の形成が呼称制度の制定により進展したと言われている。土地と製品を結合する法的システムの影響は非常に大きく,一方,製品の耐久性と味のような見えない要因は地域と製品の価値創造の背景に含まれていた。(翻訳著者抄録)
